妄想ラバーズ | ナノ

幕開けとアイス

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明後日から夏休みが始まる

『羚奈、テストどうやった?』

太陽がジリジリ照りつけまくる窓際の席でぼーっとしていると、瑞希に肩をたたかれた

「ああ、こんなだった」

手に持っていた成績表を瑞希に見せる

『えっ…!相変わらずやな』

『うわ、何やそれ!!』

驚く瑞希の声に、さらに驚く忍足くんの声が重なる

『ちょ、3位て!!水瀬さんそんな頭よかったん!?』

「いやー、そうかな?忍足くんは?」

『羚奈、それは聞かんといてあげて』

『いや俺そんな悪ないから!誤解生むような言い方すんなや!』


忍足くんちはお医者さんなんだっけ
金髪に白衣……おお


「あれ、白石くんは?」

『オサムちゃんとこちゃう?あ、ちなみに白石は2位やで』

「さすが…!」

無駄のないイケメンですね!
1位は…小春ちゃんか、そりゃそうだ


「あ、そうだ。私テニス部の合宿参加するからよろしくー」

『え?』『は?』

「白石くんとこの前出かけたとき頼まれてさー」

『『え!?』』

二人とも目を見開いて私を見る

え、なに、どうしたの?

『羚奈…白石と出かけたん?2人で?』

「うん!この前の日曜日に!楽しかったー」

『うわ…アイツがまさかそんなん』

忍足くんも呆然としている


「とにかく臨時マネージャーするから、瑞希いろいろ教えてね!」

『あ、うん…』

「あ、そういえば図書室に用事あるんだった!行ってくる!」

私は本を抱えて教室を出て行く

今日の図書当番、財前くんだったらいいのにな


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教室を出る羚奈の背中を、私たちはまだ呆気にとられて見つめていた

『瑞希…』

「うん、どっから突っ込んでええんか分からんな」


臨時マネージャーの話にも驚いたけど


まさか、あの白石が


『アイツが女子と2人で出かけるなんて…ありえんありえん』

謙也の呟きに頷きを返す


我が部の部長はそらもう完璧な奴やと思う

ルックスも、テニスも、勉強も、性格…だいぶ変態やけどな

女子はみんな白石に理想と幻想を抱く

それ故にアイツは本当の自分を出せへんくて、必要以上に女子に近づかへん


まさか、その白石が女子と2人きりで出かけるなんて

羚奈がよっぽど気に入ったとか…?
やれやれ

「財前といい、白石といい…ほんまに」

『え?』

「いや、何でもない」

まあアイツらが自覚しとんかどうかは分からんけどな

羚奈は…あれはまだ何も分かってへんやろうな


とにかくこの夏休み…合宿でどう変わるか

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・・・・


「なあ謙也、アイスおごって」

『な、何でやねん!』

「え?暑いから」

『おま……しゃあないな』


夏休みが、始まる――――





1学期編完結!

後半は瑞希ちゃん視点でした
彼女はみんなのお姉さんなのでこれからもしっかり見守ってもらいたいです(´ω`)
テスト結果に関しては…私が中学生のときはヲタクが無駄に上位だったんです!←
ヒロインもあんな頭弱そうなのにww

しかし会話文多いなww

こんなふざけまくりの駄作を15話も読んでいただき、本当にありがとうございます!!
次から合宿編に入ります(=゜ω゜)ノ


 


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