短編 | ナノ


鈍感彼女


丸井ブン太、15歳
ただいま絶賛イライラ中



「まさ〜、電子辞書貸して〜」

「ん。次の時間英語じゃけぇ、また返しにきてくれ」

「わかったー。ありがとう!あ、さっき数学でわかんない問題あったから教えて?」

「じゃあ今日の夜俺ん家来んしゃい」

「うん!」

俺がイライラしてる原因がこの2人
同じクラスで部活も同じの仁王雅治と
俺の彼女の古西那美
もう一度言う

俺 の 彼 女 の 古西那美

「じゃあまた後でね」

「ん。那美、危ないからあんま走るんじゃなか」

「はーい」

そう言われながらもぱたぱたと走っていく那美
くそっ、可愛いな

「ブンちゃん顔が半分にやけてるぜよ」

「うっせー。あと半分はなんなんだよぃ」

「拗ねてるナリ」

にやにやと笑ってる仁王
お前のせいだろぃ
そもそも何でこの2人が彼氏の俺を差し置いてこんなに仲良いかっつーと
2人は幼なじみなわけで
那美に会ったときからずーっと2人はあんな感じ
正直、どっちが彼氏がわかんねーんだけど
あ、やべ、なんか悲しくなってきた
泣きそう
いや、泣かねーけど
みたいなことを思ってたら授業はとっくに終わってて
仁王の電子辞書を返しに那美がやってくる

「まさ〜、ありがとう!!」

めちゃくちゃ可愛い笑顔で電子辞書を返す
仁王じゃなくて俺にその笑顔を向けろよ!!
つーか仁王も頭なんか撫でてんじゃねーよ!!
そういうのはさ、そういうのは…

「俺の役目だろぃ!!」

気づいたら俺は叫んでて
目の前には驚いた顔の仁王がいて
俺の腕の中にはきょとんとした顔の那美がいた

「ブン太どうしたの?」

「だからっ…その…」

何か頭が冷静になってきた
なんか俺、むちゃくちゃ格好悪くね?

「大丈夫?顔真っ赤だよ。熱あるの?」

「那美察してやりんしゃい。ブンちゃんは俺に嫉妬して思わず叫んだはいいけどよく考えたら俺格好悪りーって今恥ずかしくて仕方ないんよ」

何説明してんだよ
合ってるけど
すっげえ合ってるけど!!

「そうなの?」

俺の腕から上目遣いで俺を見てくる
だから可愛いすぎんだって!!

「それは…その…」

「決まっとるじゃろ」

「だから何でお前が答えんだよ!!」

「プリッ」

「そっかぁ。私やきもちやかれたのかぁ」

ふふっと笑う那美

「悪かったな、格好悪くて」

「何で?嬉しいよ?」

「よかったの、ブンちゃん」

「仁王は黙れ」

「くすん、まーくんは悲しいナリ」

泣き真似をする仁王
うん、気持ち悪い

「ごめんね?」

「え?」

「私、まさが幼なじみだからって甘えてたのかも。これからは気をつけるから。それに…」

那美は背伸びをして俺の耳元に顔を寄せた

「一番好きなのはブン太だから」

俺の体温が一気に上昇する
それから那美は天使のような笑顔で

「だから安心してね?」

と言ってきた

「俺もだぜぃ!!」

俺は思いっきり愛を込めて那美を抱きしめた


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