短編 | ナノ


願い事




学校からの帰り道
同じ時間に授業があるということでこの日は毎週光と帰っている

「那美先輩、スーパー寄ってええですか?買いたいもんあるんで」

「ええよー」

「どうも」

ちょうど近くにあったスーパーに入る

「あ」

「どうしたんです?」

「七夕やっとうで!!」

私が指を指した方向には笹と短冊
そういえば今日は7月7日やなぁ

「書いてこうや」

「めんど…那美先輩、子供みたいなこと言わんといてください」

「まぁまぁ」

私は短冊を2枚とって1枚を光に渡す
なんだかんだ光も書く気みたい
私は何書こかな
願い願い…あぁ、これしかないわ

「那美先輩書けました?」

「書けたで!!光は?」

「この通りっすわ」

ぴらりと光の見せてきた短冊には『ぜんざい山ほど食いたい』と書かれいた
どんだけ好きやねん

「…買えばええやん」

ここスーパーやし

「山ほど欲しいんすわ。そういう先輩は何書いたんです?」

「あ、ちょっ…」

私の手から短冊が取られる

「『幸せなお嫁さん』…って」

「…ええやん、夢なんやもん」

恥ずかしい
せやけど本気やもん
っていうか女の子ならみんなちょっとは思ってるはず

「はぁ、那美先輩アホですか」

光は心底呆れたような顔で見てくる

「ひど!!」

「七夕にはもっとどうにもできんような願い書かなあかんでしょ」

いや、お前ぜんざい…
って、どうにもできん?

「この程度の願い、俺が叶えたりますよ?」

「…は?」

「やから、このぐらい俺が叶えたりますから那美先輩はもっと叶えられんような願いにしたらどうです?って。意味、わかりますよね?」

それって…

「光が私を幸せなお嫁さんにしてくれるってこと?」

ちゅっ

理解しているようなしていないようなで固まっていると
光の唇が私の唇に優しく触れる

「誓いのキスっすわ」

にんまりと笑った光の顔
あぁやっと理解した
かーっと顔に熱が集中する

「ア、アホ!!」

私の願いを叶えるんは天の川でも織姫でも彦星でもなくて
たった今決まった未来の旦那様やった



(じゃあ何にしよかな…)(高校合格でいいんちゃいます?もう星くらいにしか叶えられんでしょ)(…どういう意味やそれ)






七夕ネタです
学校の実力テスト中に問題用紙に書き上げました←
あぁ私も星に願おうかしら…

ではありがとうございました

荊姫

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