ターゲットを発見しました
これより捕獲にうつります
ダダダダッ
「丸井先輩−っ」
「ぐぉっ」
私が思いっきり飛びつくと
丸井先輩は前に倒れそうになった
しまった、勢いがありすぎた
「丸井先輩、今日も大好きです!!付き合ってください!!」
「だから何度も言ってっけど付き合わねーって」
「えー。わかりました。明日も来ます」
「いや、明日も変わんねー…って聞いてねぇ」
「ブンちゃんも罪な男じゃの」
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今日も丸井先輩に思いを伝えと教室に入る
毎朝丸井先輩に告白するのは私の日課
「おっ、古西お前今日も丸井先輩にフられたのかよ」
「切原うるさい。いいの。今日は無理でも明日はいけるから」
「その自信はどこから来んだよ。」
「どこからだろうね−」
同じクラスの切原と話しながら席につく
「お前って何でそんな丸井先輩に好きなわけ?」
「へ?」
「いや、そんなフられても諦めねーから」
コイツは何を言っているんだ
丸井先輩の魅力がわかんないの?
逆に何で好きなならないかな
「…まずテニスをしてるときがスーパー格好いい。勝つのが当たり前ってくらい強気な感じがやばいよね。そんな強気な感じなのに甘い物食べてるときはすっごい可愛い笑顔っていうギャップもいい。あと何より、優しいから」
「優しい?俺めっちゃあの人にいじられるんだけど」
「優しいでしょ!!私が廊下で思いっきりこけたとき、丸井先輩だけが心配してくれたり
重い荷物とか持ってたら半分持ってくれたり…」
「あー、もういいわ」
切原はなんか呆れた顔してる
ちょっ、もっと語らせてよ
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昼休み、早弁のせいで昼飯がなくなった俺は
購買にパンを買いに行っていた
「うし!!大量〜っ」
今日は大人気のメロンパンも買えた
天才的だろぃ!!
「いい加減にしなさいよ!!」
教室まで待ちきれずにメロンパンにかじりつけば
外から怒鳴り声が聞こえた
「おいおい、穏やかじゃねーなー」
メロンパンにかじりついたままその声のする方へ行ってみる
そこには気の強そうな女が3人とおそらく突き飛ばされでもして尻餅をついた…
「那美?」
びっくりしてメロンパンを落としそうになる
「丸井くんが迷惑してるのがわからないの!?」
「だいたいテニス部はみんなのものなのよ!!」
「毎日抱きついたりなんかして…調子に乗らないで!!」
あいつらファンクラブの奴らか
ったく、那美もこうなるって考えろよな
「何か言ったらどうなのよ!!」
「スト−ップ」
「ま、丸井くん!?」
「弱い者いじめは卑怯だろぃ?ほら、どっか行けって」
ファンクラブのやつらは気まずそうに行った
「先輩…」
「お前何やってんだよ。自分で言うのもなんだけど、テニス部に告白とかしたらあーなんのわかってんだろぃ」
「先輩に好きって伝えられるならこんなの全然気になりません」
「はぁ?」
「だって気持ちは言わないと伝わらないでしょう」
だから明日も言いますよ、なんて笑顔で言いやがる
「先輩?」
「もういいよ、言わなくて。十分伝わってっから。それに…」
俺の言葉の意味がわからずきょとんとした那美にキスをした
「今度は俺が伝えてやるよ」
「それって…」
ちょっと恥ずかしかった俺は那美が言い切る前に
メロンパンを突っ込んでやった
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翌日
ダダダダッ
「丸井先輩−っ」
いつものように突進してくる那美を
俺は腕を広げて抱き止めた
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