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しのぶれど
古西那美、14歳
隠してはいるけれど大好きな人がいる
私は立海大男子テニス部のマネージャー
朝練で朝は早いし土日も練習という部活漬けの日々だけどそれが嫌に思ったことは一度もない
(今日もかっこいいなー)
私の視線の先には赤也
同じ学年で同じクラス
赤也は自分に対してすごく自信を持ってて
それが気に入らないって人もいるけど
その自信の裏には確かな努力があることを私は知ってる
その努力を見ているうちにだんだん惹かれていったのだ
ただ赤也は立海大テニス部のレギュラー
ただでさえかっこいいのにその肩書きもあってすごくモテる
私はマネージャーってだけでも女子から妬まれるのに、選手が好きなんて知られたらいじめに発展したりしてもおかしくない
だからこの気持ちは隠さないといけない
(あぁーでも見ちゃうよー)
隠さないといけないってわかってる
わかってるけど無意識に目線は赤也を追ってしまう
(だ、大丈夫、マネージャーなんだから選手を見るのは当たり前だもん。バレてないバレて…)
「そんなに赤也見て…古西って本当赤也好きだよね」
(バレてたー!?)
ニコニコ笑顔の幸村部長
なんで!?
私ポーカーフェイスだったはずだよ!?
「な、なななな何言ってるんですか?幸村部長!!私が赤也好きとか…そそそそんな訳ないじゃないですか!!」
「あ、そうなの?ごめんね、勘違いして」
「そそそそそうですよ!!」
ごまかせたーっ
よくやった私!!
幸村部長はやっぱりニコニコ笑顔を浮かべて練習に戻っていった
ほっと胸をなで下ろして赤也を見る
(あぁ、やっぱりかっこいい)
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切原赤也、14歳
隠してはいるけれど大好きな奴がいる
そいつの名前は古西那美
同じクラスでテニス部のマネージャー
いつも楽しそう笑ってて
テニス部のマネージャーってことで他の女子からイヤミとか言われてもへこたれたりしないで俺らのために頑張ってくれてる
けど本当は知ってる
那美が俺らの知らないところで泣いてることを
そのことを知ったら俺らが気にするからって明るく振る舞ってるってことを
それを知ったとき俺は那美の支えになってやりたい、って思っていつの間にかそれが恋に変わってた
けど俺が那美を好きだって知ったらもっと酷いことになるかもしんねぇからこの気持ちは誰にも言ってない
(幸村部長!?)
練習してたら那美が幸村部長と楽しそうに話している
内心めちゃめちゃ焦ってるけどあくまで顔は無表情にそっちを見る
無表情無表情…これならバレたりなんか…
「なんじゃ、赤也。古西が幸村と話すんが気になるんか?」
したー!?
ちょっ、俺今めっちゃ無表情だったんだけど!?
さすが仁王先輩…侮れねー
「な、何言ってんスか仁王先輩!!俺別に那美のこと好きとかじゃないんスから気になるわけないじゃないッスか!!」
「ほう…好きなんか」
「違うって言ってんでしょ!?」
「まぁそういうことにしといてやるかのう」
仁王先輩は柳生先輩の方へ行った
よかったごまかせた
ほっと胸をなで下ろして那美の方を見る
(よかった。もう幸村部長いねーじゃん。ったく、那美が可愛いからって幸村部長も手出すなっつーの!!)
古西那美、14歳
切原赤也、14歳
隠してはいるけれど大好きな人がいる
しのぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
(隠しても、やっぱり隠しきれない)
長くてすいません
二人の視点から書くとこんなことに…
二人共バレバレだっていう…
ありがとうございました
荊姫
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