君はわかってくれるだろうか
side 仁王
『ねぇ雅治、あたし達別れよう?』
『は?何じゃいきなり…』
『だってあたしわかんないだもん。付き合ってるはずなのに雅治があたしのこと本当に好きなのか…』
『もう、雅治のことがわかんない』
「!…夢か」
珍しく夜に予定がなくて一人で寝ていたら思い出したくもない夢にうなされ目が覚める
最悪じゃ
いつもはかかん汗で髪が額に貼りついとる
こんなことなら一人で映画でも見てくればよかったと今さらながらに後悔
もう一度寝る気にはなれんからリビングで冷たいものでも飲もうと部屋を出る
コップにお茶を注いで一息つく
今は3時
暇じゃのう
丸井に電話でもしてやろうか
無理矢理たたき起こしちゃる
携帯のアドレス帳のま行を開いたところで手が止まる
丸井緋奈
「…」
こいつも俺がわからないと言うだろうか
…なんて訳もなく考えた