赤色ハニー | ナノ

鏡に写る赤色

明日中学の入学式
ついに私も中学生になるのだと
不安と期待が入り混じった気持ちだ
特に小学校のときはあまり友達がいなかったから余計
そんなことを考えていたら兄、丸井ブン太が部屋に入ってきた

「緋奈ー明日入学式だよな?」

「そうだよー。私も明日から立海生」

「だよなー」

私が答えると手を口元にあてて考えるような仕草をするお兄ちゃん

「お兄ちゃん?」

「…うしっ、やっぱこれしかねぇよな!!」

お兄ちゃんはひらめいた!というように手を打つ

「ちょっと待ってろぃ」

いきなり入ってきていきなり出ていく
なんだったんだ
しばらくすると赤い髪の女の人の写真がパッケージの箱が二つ持ってこられる

「緋奈は髪長いから二つだよな!」

「え?」

そんな満面の笑みで言われても…
ってちょっとお兄ちゃん?
何箱からくしみたいなのに塗ってるの?
え、私にそれ持ってこないでよ
ちょっ、頭につけないで!!

「お兄ちゃん!?」

「いいから黙ってやられてろって」

「いやいや」

私の抵抗もむなしく髪全体に箱の中身をぬられた
…うん、これってさ

「うし!!30分して洗い流せばOKだな!!」

髪、染められてる…?


30分後、洗い流された髪を見てみると鏡にはお兄ちゃんと同じ、真っ赤な髪が写っていた

「…絶対友達できない」

あぁ、さっきまで同じくらいだった不安と期待が
不安の方が大きくなる

「俺学校でこの髪地毛って言ってっからよぃ、注意されたらお前も地毛って言えよ?」

兄妹で地毛の色違ったらおかしいもんね
けどお兄ちゃん…こんな鮮やかな赤色が地毛ってないからね?

「あ、そうそう。お前テニス部のマネージャーやれよぃ」

「え…テニス部の?」

この上まだ言うか

「おう!うちマネージャーは俺と同じ学年のやつが一人しかいねーからって幸村くんに言われたんだよぃ」

幸村…お兄ちゃんの話にもたまにでてくる、大魔王様
お兄ちゃんの顔は鬼気迫った表情だった

「頼むぜぃ」

入学式前日、不安と期待の入り混じった私の中学生活は
早くも不安しかなくなった






…というわけでまたまた仁王連載はじめさせていただきました!!
いやもう、本当仁王ばっかですいません
謎なものばっかりですいません
今回も後先考えないスタートなのでどうなるかわかりませんが
赤色ハニーをどうぞよろしくお願いします

荊姫
 


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