赤色ハニー | ナノ
それでも私は悪くない
指導室には正座したお兄ちゃんがいた
私もその隣で正座する
仁王先輩は私の隣であぐらをかく
真田副部長を仁王先輩を睨んでるけど気にする様子はまったくない
「まったく…貴様ら、そのたるんだ頭髪は何だ!?」
たるんだ頭髪…
「いい加減黒に戻さんかぁぁぁぁっ!!」
耳がキィーンってなる
さっきもだったけど今は室内だから余計に
「だーから俺のは地毛だっつうの!!緋奈も同じ髪してんだろぃ?」
お兄ちゃん…そんなわけないからね?
「そんなわけないでしょう」
柳生先輩、おっしゃる通りです
「緋奈さんは頭髪だけとしても…お二人は授業の無断欠席、仁王くんは女子生徒との交際も改めるべきです」
お兄ちゃんサボってるのか
だからあんな成績とるんだよ
「だ、男女交際など…た、たるどる!!だ、大体そういうものは複数ではなく一人の女性真摯に愛するものだろう。お前にはその気持ちが感じられん」
「気持ち…ねぇ」
「いい加減そんな適当な付き合いは止めたらどうだ」
「プリッ」
「仁王!!俺は真面目に…」
キーンコーンカーンコーン
1時間目の予鈴が鳴る
柳生先輩がため息をついてお兄ちゃんと仁王先輩に原稿用紙を渡す
「緋奈さんは次回注意されたら書いてくださいね」
「はい…」
どうやら2回注意を受けると反省文らしい
嫌だなぁ
っていうかこの頭私のせいじゃないのに
しびれた足を引きずるように私達は指導室を出る
「仁王くん」
柳生先輩が仁王先輩を呼び止める
私とお兄ちゃんは仁王先輩を置いて先に行く
「あなたが彼女たちに適当に接する限り、誰もあたたのことを本気で見てはくれませんよ」
「…わかっとる」