赤色ハニー | ナノ

いざ、戦場に!!


立海大には月に一度、どの部活も朝練の存在しない日がある
あのテニス部でさえ、だ

「行くぞ緋奈!いざ、戦場に!!」

「戦場って…こんな頭しなかったらいつもの平和な校門だからねお兄ちゃん」

そう、風紀委員による服装頭髪検査が行われるのだ
もちろんこの日以外にも注意を受けるのだがこの日に注意を受けた者は風紀委員によるお説教が待っているらしい
風紀委員ってことは真田副部長がいる
…ビンタされたらどうしよう
もちろん普通にしていれば引っかかったりなんかしない
しかし皆さん覚えているだろうか
私の頭を
入学式前日、地毛だと言い張るためだけにお兄ちゃんに染められた私の赤色の頭を…!!
これはもちろん完全にアウトだ
お兄ちゃんは逃げ切るための精神統一を隣で行ってる
もうさっさと学校に入ろうよ

「おはようさん」

「来たか仁王!!」

お兄ちゃんは精神統一をしながら仁王先輩を待っていたらしい
仁王先輩も完全アウトだもんね
仁王先輩の銀髪は太陽の光できらきら輝いている

「おはようございます」

「おはようさん、緋奈。しっかしあいつらもご苦労なことじゃのう。毎月毎月…よう飽きんわ」

「飽きるわけねぇだろぃ。見てみろ、真田のあのいきいきとした叫び声を」

さっきから聞こえるキエーッって声の正体は真田副部長だったのか

「んじゃ揃ったことだし、作戦を発表するぜぃ」

さ、作戦!?

「各自全力で逃げる、以上!!」

「…お兄ちゃんそれって…」

「しっ、緋奈止めんしゃい。丸井の頭じゃこんなもんぜよ」

「黙れ仁王!!とにかく行くぜぃ!!」

お兄ちゃんの目が変わった
すごく真剣な目
試合のときと同じ…いやそれ以上かも
…それもどうなのかな

「仁王、緋奈、健闘を祈る!!」

私達3人は戦場へ向かって走り出した
 


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