赤色ハニー | ナノ

目立たないのはそれはそれで問題



繋がれた仁王先輩の手が少し温かくなってる気がする
うわー恥ずかしい…
っていうか仁王先輩とふたりってことに緊張する

「そ、それにしても!!」

緊張で声が裏がえった
うぅ…より恥ずかしい

「よく見つけられましたね。こんなに人多いのに」

「そりゃあ…」

空いたもう片方の手で仁王先輩が私の髪を優しく手にとる

「この髪はよう目立つからのう。すぐ見つけられるぜよ」

「確かに…」

この赤髪は目立つ
悪目立ちすると言ってもいい

「仁王先輩も目立ちますよね、人混みでもすぐわかりましたよ」

「ま、こんな頭の奴はなかなかおらんじゃろ」

「いっぱいいたらどうした日本、って感じですね」

とりあえずどこを見ても落ち着けないだろうな

「そういえば何でおいてかれたん?」

「あー」

言っていいのかな
ライオンの赤ちゃん見ようとしてたらはぐれましたって言っちゃっていいのかな

「…ライオンの赤ちゃんを…」

「…見たかったんか?」

「えーと、はい…」

小さな溜め息をつく仁王先輩
そういう反応になるよね
だって仁王先輩が見たくないって言ってたやつだし

「すまんかったの」

「いや、その…」

「じゃあ見に行くか」

「え?」

「見たいんじゃろ?」

「けどお兄ちゃん達が…」

「ちょっとくらいええじゃろ。行くぜよ」



 


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