赤色ハニー | ナノ

罪なライオンの赤ちゃんですね


平日とはいえ動物園はなかなかに人が多かった
ライオンの赤ちゃんが期間限定で公開しているかららしい
そりゃ見たいよね
絶対可愛いもん
なのに私達の班は人が多いところは嫌だ、という仁王先輩の言葉で
ライオンの赤ちゃんは他のとこへ行く通り道からちらっと見るだけってことになった
うん、悲しくない

「あ、ここだろぃ」

明らかに人だかりができていてお兄ちゃんが指指す
ちなみに私達は今爬虫類館に向かってたりする
これも仁王先輩案だ

「全然見えんのぅ」

「まぁあんだけいるからなー」

「あんな中で見るんはごめんナリ。早よ爬虫類館行こうぜよ」

「お前のその爬虫類に対する思いは何だよぃ!?」

「室内じゃろ」

「そんだけ!?」

前ではお兄ちゃん達がそんな会話をしている
私は少し後ろでなんとか人だかりからライオンの赤ちゃんが見えないか奮闘中
あ、ちょっと見えそう

「…可愛い」

見えた
めっちゃちっちゃいけど見えた
可愛い可愛い
やっぱり赤ちゃんなら猫科の動物が一番だよね
あの無邪気そうな顔がなんとも…って、

「お兄ちゃん?仁王先輩…?」

周りを見渡してみる
あの目立つ赤髪と銀髪はいない
そうかそうか
ふむ…はぐれたな

「…」

いやいや納得してる場合じゃないよね!?
と、とりあえず携帯…



充電が切れてました
私の馬鹿!!
何で昨日充電しなかったの!?

「ま、まぁ爬虫類館に行けば会えるよね、うん」

近くの地図で確認して爬虫類館へと向かった
 


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