小さな感謝
この銀髪の人が仁王雅治、先輩
お兄ちゃんから聞いた話も納得の人だった
「一通り自己紹介は済んだね。じゃあ練習戻って。野条は緋奈に仕事教えてあげてくれる?」
「はいはーい。んじゃ、まず部室行こうか」
「はい」
野条先輩につれてかれた部室にはトロフィーやら賞状やらがいっぱいだった
強い強いと聞いていたけどこんなに強いんだ
「すごいでしょ」
私がよっぽど見入っていたのか野条先輩がそんな言葉をかけてきた
「すいません」
「何で?初めは見ちゃうでしょ。んじゃ、仕事教えるねー。あ、私のことは彩先輩って言って欲しいな」
「彩先輩…?」
「はいはーい。女の子の後輩とかいないから憧れだったんだよね。赤也も名前で呼んでくれるけどなんか違うんだよね」
彩先輩は人なつっこい笑顔を浮かべる
「これからよろしくね、緋奈」
「は、はい」
うん、少しだけ
本当に少しだけ
お兄ちゃんに感謝、かな?