「ふぅ……保健室はえぇなぁ」

部活やけど、今日は自主練中心やし一服しとってもえぇやろ♪


ガラッ!

「ダメ人間!!」

「誰がダメ人間やねん!『オサムちゃん』や。解ったか〜白石。どないした?お前がケガか?」

「ちゃうわ!ケガしたんは俺とちゃう!」

「じゃあ誰や?一年か」


俺は早うコーヒー飲みたいねん。用件なら早くしてくれ。

「あぁ〜〜!もう!!えぇから早う来い!」


グッ

「Σおい?!」

そのまま白石に腕を引かれて、保健室から強制連行された。





「謙也!オサムちゃん連れて来たで!」

「何してんねん?!遅すぎや!」


連れて来られたんは勿論テニスコート。なんや数人の部員が集まって何かを囲んどる。


「一体何やねん、皆してぞろぞろと」

「アホ!何呑気にしとんねん!
小石川が倒れたんや!」

「っ!」


謙也の言葉に思考が止まった。小石川が……倒れた?

「っ…はぁ…っは…」

部員たちの中には、苦しそうに倒れこむ小石川。俺は意思より先に身体が動いていた。

「小石川!大丈『触んなっ!』Σっ!」

手ぇ伸ばした謙也に思わず声を荒げた。でも驚くほど冷静な気分やった。俺はそのまま小石川を抱き上げて保健室へ戻った。





保健室に戻って、すぐに小石川をベットに寝かせた。

「はぁ…っ…」

さっきと変わらず、小石川は苦しそうに呼吸を繰り返す。俺は小石川の苦しみを解ってやれんくて、悔しくって、メッチャ腹立つ。


「はぁ…っ…ぉさ、ちゃ…」

「っ!」


小石川が俺の名前を呼びながら空に手を伸ばした。大丈夫や。と…俺はここにおる。とその手を両手で包み込んだ。
弱々しくやけど、握り返してくる感覚が分かった。

「っふぅ…っはぁ」

小石川の額に額をつける。大分熱が高い。保険医は生憎出張中やし…

「小石川…薬、飲めるか?」

聞こえるように耳に口を寄せた。必死に答えようとする小石川だが…


「ぅ……っ!ゴホッ!」

「やっぱり無理か……しゃーないな」


俺は薬と水を自分の口に含んで、小石川の顔を引き寄せた。

「んっ…ふっ…」


クチュ…

「んっ…!」

コクンッ


「ぷはっ!…っはぁ…」

「ヨシ、とりあえずこれで熱はさがるやろ」


キスは…まぁ、不可抗力やな。あのままやったら、薬なんて飲めへんかった。





「ん……ここ…」

「気分はどや?」

「オサム…先生?ここは……保健室…」


今の小石川は自分の状況がよぅ解っとらんようやった。まぁ無理も無いな。


「お前、部活ん途中で倒れたんやで。白石が知らせてくれたんや。
また体調悪いのに無理したんやろ?」

「っ…す、すんません…」


俺が怒っとると思うたんか、小石川はケットを強く掴んだ。たく…アホやな。


「小石川、怒っとらんから、こっち向き」

「………」

「今度からは無茶したらあかんで?
そうせな、オサムちゃんの心臓に悪いからな」

「はい…オサム先s『健二郎』っは、はい!///」


名前を呼ばれた事に驚いたんか、顔が赤くなった。


「二人の時くらい、先生はやめて欲しいわぁ」

「!…オサム、ちゃん///」

「よぅ出来ました♪」

「オサムちゃん、意地悪やわぁ…」


意地悪なんは、健二郎がかわえぇから…なんて言うたら怒るわな。





「健二郎…大丈夫かな…」

「せやなぁ…小石川も心配やけど、オサムちゃんのあの態度も気にならへんか?」

「あぁ、イキナリ怒鳴りよったからビックリしたで」

「俺もや。まぁオサムちゃんやからなんかあるんやろうけどな。
ほな、小石川の様子見に行こか」



「健二郎、寝汗かいたやろ。部活も終わりやし、制服取ってきたさかい着替え」

「あ、はい」


大分熱も下がって、容態も落ち着いた健二郎に制服を手渡していると…


ガラッ!

「オサム!小石川どこや!」

「謙也…白石と揃いも揃って…せめて『ちゃん』を付けろ!」

「まぁどうでもえぇやん」

「よくないやろ」


シャッ

「健二郎!大丈夫か?」

ってオ〜イ白石く〜ん?俺に許可無く病人のベット開けるなやぁ。
まぁ俺も保険医とちゃうねんけどな。


「あ…白石、謙也。心配かけてすまんな」

「えぇって。小石川が元気ならそれで」

「そうやで!健二郎が元気ならそれでOKや♪」

「二人共…おおきに(微笑」

『///』

アイツら…


「ほらほら青少年諸君。暗なるからさっさと帰り」

「まだえぇやん!」

「ダメや」

「…分かったわ。そん代わり、健二郎に手ぇ出したら……分かっとるよね?(黒笑」

「…はーい(汗」


怖…。やっぱりアイツは敵に回したらあかんな。それにしても…健二郎がかわえぇのは分かんねんけど、敵が多いな。
まぁ、譲る気はあらへんけどな。







良薬唇に甘し

早く元気な君を抱きしめたい。


END

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