「「超ウルトラグレートデリシャス大車輪山嵐ぃぃ!/ととろさんキィークッ!」」

ドガシャンッ!


「フグアッ!」

「なっ、なんや?!」


もう少しで白石と小石川の唇が重なりそうな時、ナニかが扉をブチ破って飛び込んできた。

「健ちゃん!無事か?!なんもされてへんか?」

吹っ飛んだ白石には目もくれず、小さな赤髪が小石川に抱き着いた。


「へっ…金太郎?」

「まったく、白石は油断ならんばい」


今度は自分より大きな腕に後ろから抱き締められた。


「千歳?なんで二人ともおるん?」

「散歩の途中で金ちゃんば見かけて、一緒にたこ焼き食べちょった」

「そんあと、道わからんくなってん!せやけど歩いとったら学校ついてん!」

「そしたら、部室ん前みんながおったばい」

「そんで、部室の窓から見たら『健ちゃんのピンチや!』ちゅーわけで、ドア壊してん!」


自分達が飛び込むまでに至った経緯を話す二人だが、小石川には疑問があった。

「?、ちょお待てや。ほんなら他の皆は…」




「ホンマに部長ダサいッスわ」

「蔵リン今回も残念だったわねVv」

「筋金入りのアホやな」

「まぁ自業自得っちゅーことや」

「………(合掌」


気を失っている白石を囲み、罵っていた。哀れなことこの上ない。



−数分後−

「皆、もうやめへんか?」

さすがに白石が気の毒になり、皆を制する小石川。


「副部長、部長に甘すぎっスわ……ほんまムカつく……

「白石はずるいんや!いっつも健ちゃん独り占めやんか!」

「えっ…」


突然の言葉に驚いた小石川は金太郎を見た。


「やって、ワイが『健ちゃんとたこ焼き食べたい』ゆうても白石がえぇよって言わへんねんもん!」

「?。そんな話聞いてへんよ?」

ピクッ


小石川のその言葉に何故か数名のこめかみがヒクついた。


「なら、俺と大食いの店回るんは?」

「聞いとらんし、やらん」


誘いが伝わっていなかったどころか、すぐさま拒否され、謙也は床にのの字を書いていた。


「ウザッ…俺と甘味処行くんは?」

「聞いてへん。今度連れてってーな」

「もちろんっス」


顔には出さないが財前は上機嫌だった。


「ところでお二人とも、それ誰に言いはったんですか?」

「白石/変態毒草聖書絶頂部長」


謙也は普通に答えたが、財前は酷い言いようだ。誰も否定はしないが。


「俺、白石からは何も聞いてへん……すまんな二人とも」

「副部長が謝ることちゃいます!」

「せや!悪いんは全部コイツや!」


気絶する白石を指差す謙也。白石は放置プレイを決め込まれている。

「なら、謙也の大食いは無理やけど、財前の言う甘味処、今から皆で行かへんか?」

皆を制するように小石川が呟いた。

「甘味処ワイも行く!」

いち早く反応したのは金太郎。食べ物に関しての鋭さは抜群だ。


「まっ大食いは今度行くとするわ」

「甘いものって見るだけでも幸せよね〜♪」

「俺は小春見てるだけで幸せやで〜Vv」

「もう、ユウくんたらvV」


二人はどこに行ってもこんな調子。


「えぇんですか、財前はん」

「まっしゃーないっスわ。副部長がゆうてるんやし」


小石川の申し出のため、財前は断ることが出来なかった。

「コレはどうすっとね?」

コレ=白石。


「伝達能力不足の罰や、置いてってかまへん」

「ほんならはよ行こうや!」

「そんなに焦んなや」


白石を除くメンバーは皆で仲良く甘味処へと出かけて行った。







俺達の事情

それは君の知らない攻防。


END



オマケ


「白石〜、生きとるか〜?」

「ん?オサムちゃん?」

「部室なんかで寝たら風邪ひくで」

「部室………っ!小石!俺の小石はどこや!?」

「(俺のて…)おらんで。ついでに言うたらお前以外のレギュラー全員おらん」

「なんでや!?なんで俺置いてかれたんや!?
小石ぃぃぃい!!早う俺の元に帰ってきてやぁぁぁぁ!!」


ホントにEND

 
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