アイツは俺の大切な仲間だ。サッカーという同じスポーツが好きな仲間。
一緒に世界の頂点を目指してる仲間。
そしてアイツは俺の大事な恋人。だから、どうしても少し扱いが変わってしまう。ダメだと分かっていても、やめられない。







「今日はこのくらいにしておく。各自ストレッチをして宿舎に戻れ」

「「はい!」」


久遠の声に全員がボールを追うことを止め、近くにいるメンバーとストレッチを始める。
たまたまゴール近くにいた鬼道は円堂と組み、ストレッチを始めた。
しかし、円堂の視線が別の方向を向いていることに気が付き、少し視線をずらした。

(風丸と、不動?)

円堂の見つめる先にはストレッチを終えたのか、二人で会話をする風丸と不動の姿があった。
近頃の二人は、以前の様子が嘘だったかのように仲が良く、現に話している二人も笑顔だった。
なぜ円堂が二人のことを見ていたかは鬼道には分からなかった。しかし、背に当てられた手の平が拳を作っていたことは分かった。


−−−−

「円堂、なんか用か」

練習後、円堂に呼ばれた不動は円堂の部屋へと来ていた。しかし円堂の姿が見えない。

「円堂?」

部屋をいくら見回しても見当たらない。不動は扉を閉め、ベッドに腰掛けた。

「自分から呼んだくせに、いねぇじゃねぇかよ」

ふて腐れ足をバタつかせていると、ドアノブを捻る音がした。


「なんだ、もう来てたのか」

「なんだ、って…自分から呼んだんだろ」

「悪い悪い。……不動」

「?、なんだ…んっ!」


円堂は不動の後頭部を掴み、グイと引き寄せ口づけをした。けれどそれは優しいものではなく、噛み付くような荒い口づけ。

「んっ…えん、ど…」

段々と深くなっていく口づけに身体の力が抜ける不動。頬を紅潮させ目に涙を溜める。窓から差し込む夕陽がその姿を照らし出していた。
息が苦しくなり、円堂の胸を叩く。クチュリとわざとらしく音をたて、円堂は唇を離した。

「お前は俺のだろ?俺以外にばっかり構っていたら、お前を殺したくなる」

円堂の手が今度は不動の首筋を這う。不動は円堂の言いたいことを理解していた。不動は笑みを浮かべ、円堂の口元を伝う銀の糸を舐めとった。

「分かってるって。俺の中には守だけ」

その言葉に、安心したように円堂は不動を抱きしめた。優しく、壊れ物を扱うように。


「愛してる、明王」

「俺も愛してるぜ、守」


再び交わす口づけ。優しく、甘く、深く。







咲き乱れる嫉妬の花弁

狂おしいほどに君が愛しくてたまらない。


END

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円不。
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