『昨日はどこに行っていたんだ』

「寝てただけ。マナーだからわかんなかった」

『……連絡くらい入れろ。心配するだろ』

「うん、ありがと。愛してるよ鬼道くん」

『っ…あぁ、俺もだ』


お決まりの挨拶で電話を切ると、空気に曝された腰に回る腕の感覚。
俺よりも細く、小さく、幼い感覚。


「どうした、京介」

「また…鬼道さんって…」

「仕方ないだろ。鬼道くん、俺がいないと寂しくて死んじゃうんだから」


抱き返してやると仄かに緩む頬。
年下だし、俺より子供なんだから当たり前だけど、可愛い奴だ。


「それに、お前も人のこと言えねぇじゃん。
松風…だっけ?クルクル頭の」

「……アイツは、別にいいんです。
アイツも、俺との関係はその場限りだから」

「お前らませてんな。他には?」


俺の問いに、上目遣いに視線を寄越しながら指折り数を数える京介。
指を折る回数が増える度に、なんだかイラつく。

「キャプテンに霧野先輩、狩屋に影山、倉間先輩、南沢先輩、磯崎…っ!ふ、どぅ…さん?」

これ以上、京介の口から俺以外の名前が出るのが嫌で、それを遮るように口付けて、抱きしめた。


「なぁ京介…」

「なん、ですか?」

「一人の愛じゃ…足りねぇの?」

「……はい」


小さく、でも本音が詰まった言葉。
そして言葉はこう続いた。





誰でもいいから愛されたい。それはいけないことですか?

いけなくなんかない。
でも、出来ることなら俺だけで君を満たしたい。


END

−−−−−
不動ちゃんが攻臭い…
京介君がビッチ予備軍だ…
この二人はリバだと思う。
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