『『金ちゃん、HAPPY BIRTHDAY!』』

「皆おおきに!」


今日はワイの誕生日!
銀と千歳が作ってくれたタコ焼きに、小春とユウジが作ってくれたケーキ!
飾り付けは謙也と光がやってくれたって聞いたで!
タコ焼き以外の料理も白石と健ちゃん、オサムちゃんが作ってくれたらしいで!


「金ちゃんの誕生日は誕生会っちゅーより、タコ焼きパーティーやな」

「料理より、タコ焼きのが多いしな。
まぁ、金ちゃんらしいけどな」


白石と謙也がなんやブツブツ言うてるけど、よう分からんし、ケーキ、ケーキ♪


「ん〜!このケーキ、メッチャうまい!」

「ホンマに?お口に合って良かった。
喜んでもろて嬉しいわぁ♪」

「ホンマに小春は料理上手やなぁ」

「うふふ、おおきに♪」

「小春、浮気か!!」


ユウジも相変わらずやなぁ。
小春は浮気なんかせんて!
そもそもユウジと付き合うてないんやから。


「金ちゃん、俺と師範の作ったタコ焼きも食べなっせ」

「おん!」

「どうや?」

「メッチャうまいで!
店のタコ焼きと同じや!」

「そら良かった、千歳はんと頑張ったかいがあったわ」


ホンマにうまいし、これなら毎日でも食えるで。


「金太郎〜俺からは…」

「あ、オサムちゃんはえぇで別に。
馬でごっつ使うてるやろ?
期待してへんから♪」

「金太郎〜っ!!いつからそんな子になったんや?!
オサムちゃん泣いてまう、ぐぁは!……」

「いい歳した大人が、キモいっスわ。
金太郎、先に言うとくけど、俺はプレゼントなんか用意してへんからな」

「えーっ!光、冷たいわ〜…」

「……帰りになんか奢ったる」

「ホンマか?!
うわーい♪タコ焼きやー!」

「今食うてるやん……はぁ…」


帰りもタコ焼き食える〜♪
………あれ?


「白石」

「なんや、金ちゃん」

「健ちゃんは?」


さっきまでそこにおったのに…
はっ!まさか神隠しに!


「そんなんあるわけないやろ。
健二郎なら水道や」

「わかった!」



コートから少し離れた水道。
白石の言うた通り、健ちゃんがおった。


「健ちゃ〜ん!」

「金ちゃん、どないしてん」

「部室におらへんかったから、何処行ったか思てん」


一瞬…ホンマに一瞬、健ちゃんがおらんって思たら、なんや、いてもたってもおられんくなった。


「あぁ、料理のタレが服に飛んでしもてな。
シミになる心配はなさそうやから、早う戻ろか。
主役がおらんと、意味ないやろ?」

「……おん!」


少しだけ…もう少しだけ、二人でいたいって思た。


「あ、そや」

「健ちゃん?」


止まってポケットを漁る健ちゃん。
なんやろ、って思てたら…

「ほい、金ちゃん」

健ちゃんがポケットから出したんはスポーツショップの袋。


「なんや、これ?」

「誕生日プレゼント、や。
食いもんは皆が作るさかい、何がえぇかなって思たんやけど」

「ワイにくれるん?」

「もちろんや」


健ちゃんからのプレゼント。
皆に作ってもろたケーキとか、タコ焼きとか、メッチャ嬉しかった。
けど、健ちゃんからのプレゼント。


「開けてもえぇ?」

「おん」


中にはリストバンドが二つ…ワイの好きなオレンジ色。


「金ちゃんこの前、木にリストバンド引っかけたやろ?
やから…」

「おおきに!」

「おわっ…ハハッ、そない喜んでくれると選んだ身として嬉しいわ」


ニコニコ笑う健ちゃん。
今回はリストバンドをもろたけど…


「健ちゃん!」

「ん、何…!き、ん…ちゃ…」


ちゅーしたら健ちゃん真っ赤になってもた。
でもメッチャかわえぇ!


「来年もワイの誕生日祝ってな!
そんで、来年はワイ、健ちゃんが欲しいねん!」

「なっ、金ちゃん!そんなん誰から聞いてん!?」

「この前白石ん家でやったゲームで言うてた!」

「アイツ…」

「なぁ、えぇやろ?」

「……金ちゃんは俺んこと好きか?」

「メッチャ好き!
やから、ダメなん?」


ワイは健ちゃんがメッチャ好き。
それだけやとアカンのやろか…


「金ちゃん」

「何?」

「金ちゃんは、まだこれからもぎょーさんの人と知り合っていく。
それでも俺を好きや言うてくれんのやったら…来年、待っとって?」

「! っ健ちゃんメッチャ好きや!」

「はいはい」


健ちゃんはワイの頭撫でてくれた。
ワイ、メッチャ幸せや!


「ほな戻ろか…皆待ってんで」

「おん!」


繋いでもろた手ぇは、ワイの方がデカかった。
確か手ぇがデカイと背ぇが伸びるって白石が言うとった。
今のワイはごっつ小さい……けど、来年までには絶対に健ちゃんのこと追い抜いたる!


「金ちゃん、誕生日おめでとう」

「ヘヘッ おおきにっ!」






予約の約束

来年も、君の隣に立たせて。


END

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