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最後に【黒薔薇(アブソル♀)】
この子は先程の二人よりざっくり考えていた過去なので考察入れつつ記載しております。

 まずはざっとどんな子か紹介。警察組織で凶悪犯を捕まえる個人任務を担当している、元首切り処刑人。上司の音羽(サンダー)に多大な恩義と忠誠心を抱いていて、任務以外では音羽の近くにいて執事のようです。戦っていることや過去を覗けば素直で真面目な女の子。

 服装は「本当は戦闘要員じゃないだろ…!?」というくらいすごい露出しています最早水着…(笑)でもそれは黒薔薇が強いことの証明でもあったり。全く活かしきれてないですが、音羽に直接スカウトされただけあって、サンプラの幹部以外では5本の指には入るだろう強さという裏設定があります。

 黒薔薇の事を話すのに欠かせないのは元首切りという過去と音羽との出会い。罪人の処刑人(首切り)であったのは家族代々の生業みたいなものです。親もそうだった。だから自分がそうであるのも当然と思っていた。
 家業(処刑)については自分たちの生きるためだと割り切っています。でも人の首を斬る毎日と血のにおいに慣れることはなかった。きっと黒薔薇は家業を継ぐには素直で真面目すぎたんだと思います。現実的だけれどなんだかんだ根は優しい子なのかも。受け入れようとするほど鎌を振る手に迷いが出る。きっとそんな感じ。実は彼女の首切りについての葛藤詳細は割り切っていたという以外は細かく決まっていませんでした。黒薔薇は辛いときは何かしら行動を起こしてすっきりするというより、ただ黙って耐え抜くタイプなのでずっと心に秘めているんだと思います。水面下で動くべきである自分の身分も分かっているから、強く自分の意見を主張することもない。

 そしていつものように仕事をする彼女が10歳を迎えた頃、周りの反感や復讐心・恐れが爆発。蔑まされて暴力的な追放を受けた黒薔薇は一人になってしまいます。そして自分の住んでいた場所から逃走。
 一方、幼くて強い処刑人がいると聞いて単独で取り締まり(というか興味本位で様子を見)に来た音羽。小さいながらにぼろぼろの服や傷で一人で何かから逃げるように必死に走っていた黒薔薇の様子に気付く音羽。これが黒薔薇と音羽二人の出会い。そして黒薔薇が噂の処刑人と知った音羽は「俺と一緒に来るか?」と彼女に手を差し出します。これが漫画でとても描きたいシーン。
 この時の音羽の心情はハッキリ決まらず黒薔薇が素直な普通の女の子だと知って助けたいと思ったんだろうか…とか未だに色々模索中です。
 音羽と黒薔薇は結構長い付き合いです。8年以上の付き合いが個人的にベストだと思う&黒薔薇9歳以下のイメージはないため出会いは10の時と定めました。
 
 そんなことがあって、黒薔薇を連れてサンプラに帰った音羽。黒薔薇も慣れないせいか最初は音羽にべったりです。べったりと言っても抱きついているとかじゃなくて親鳥についていく雛みたいにどこへ行ってもそばにいる(後ろからついて歩いてくる)感じ。彼女は自分の立場をわかっているから嫌悪感を感じられるかもしれないと自分からはきっと他人に触れません。でもその壁を簡単に壊しちゃう音羽。怖いし戸惑いも大きいけど、優しくて温かい音羽のそばは居心地がいい。
 昔はもしかしたらサンプラとしての誇りも持っていないので自分をかなり卑下していたかもしれませんね。水面下で生きる自分をわかっているから、彼女にとって対等の働く女性である壱世は純粋すぎて少し眩しいなと思っていたり…繊細で複雑な心境です。でも自分を温かく受け入れる二重吉や壱世、周りの温かさに触れてすこしずつ音羽以外の世界に関心を持ち始めます。そして現在に至る。
 処刑人の過去を忘れる事は出来ないけれど、あそこよりずっと広くて温かい、自分の世界が今はあります。その喜びをきっと黒薔薇は感じているだろうなあ…。ただ殺すだけじゃなくて自分の力で戦う事、おかえりと言ってくれる人。 新しい世界を作ってくれた音羽に恩を返したくてこの人についていこうという決意。そして新しい自分が始まる。黒薔薇という名を音羽からもらったのはいい機会だったのかもしれません。ちなみに髪を縛っているのはシュシュです。長かった!(笑)