▼6/6

ソーコは警察なのだ。捨て子を保護し、親を捜索するのは彼女達の仕事とも言える。

しかし、問題は手がかりとなるこの手紙。

ソーコが読んだら確実に動揺する内容。
それが嘘だとしても、初めてを捧げたばかりの恋人の不祥事に、ダメージを受けないわけがない。


彼女はきっと無表情で手紙を読み、赤子を連れて屯所に戻るだろうが、夜人知れず涙を流す姿を思い浮かべると、銀時の身体は恐怖に震えた。



「俺だってホントはソーコに言いたくねーよ!言えるわけねーだろ!!昨日貫通式済ませたばっかなんだよこっちはァァ!!」


「アンタ何暴露してんだァァこの不潔野郎ォォ!!」


最低、不潔、腐ってる、と暴言を吐かれ、銀時がそれに反論している最中、ふらりと現れた人影に新八は気付くとサァッと血の気が引いた。

拳をつくり銀時に飛びかかる神楽とそれに対し防戦一方の銀時は全く気付かない。


赤ん坊を抱っこしてあやすお登勢は「おや」と一言呟き、腕を組み置き手紙に目を通すソーコを神妙な面持ちで見守った。


そしてお登勢の腕に抱かれた赤ん坊をじいっと見つめ、気だるい表情のまま、店の奥で決闘中の二人を眺める。





「旦那、あたい帰りやすね」




突然届いた鶴の一声に、銀時と神楽は動きを止め、スローモーションのようにゆっくりと声のした方向へ首を動かす。

そこにはいつもと全く同じ、クールな表情を崩さないソーコが立っていた。


銀時は何か言いかけようとしたが、彼女の纏う雰囲気がそれを許さず、声となって出てこない。


くるりと背を向けて店を出ていく細い背中は、確かに昨夜抱いた女の背中の筈なのに、やけに余所余所しかった。



「待てってオイ、ソーコ…!」



ガタッと椅子を蹴飛ばしてソーコを追いかけた銀時であったが、彼女が屯所に着くまでの間、自分がこの世界に存在しているのかどうか不安になるくらい無視をされ続け、その姿が屯所に消えた後は、何とかして己の潔白を証明しなければいけないと心に誓ったのである。



back
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -