ゴールドとシルバーと仲が良い……二人と知り合いなんて初めて知った。 彼女の身近にいると思っていたオレは衝撃を受けて少し口を閉ざした。 二人が不思議そうにしているのが理解できたが、それどころではない。 やはり彼女の周りにはオレ以外の男がいるんだろう。 ましてはレモンは黄の国の住人だ、そこはオレが口を挟むところじゃないし彼女の自由だ。 分かっている…が、やはりどろどろした感情に胸が支配される。 彼女でも何でもないのに、嫉妬しているオレは醜いと思う。 でも好きだからこそ、周りには秘めているからゆえに膨れ上がる想いに、もはや歯止めは効かなくなりかけている。 こんな激情を彼女にぶつけても嫌われるだけだと、そんなことは分かってる。 でも我慢できないんだ。
ハッキリ言おう、オレはレモンが好きだ。 でもオレにはイエローがいる。 イエローは好きだけど、それこそ妹感覚で。 イエローによく似た彼女をオレは好きになってしまった。 緑の国でのブルーの発言から、ブルーには気付かれている。 でも幼なじみのブルーを信頼してるから、あいつはペラペラそういうことを言いふらしたりしない、
……そう思っていたがどうやら間違いだったようだ。 あいつも弟のシルバーには口が緩いらしい。 まあオレが口止めしていないことにも責任があったけど。 ……レモンが好き。 一度口にしただけで、隠していた想いが堪えきれなくなる感覚。 きっともうオレはダメなんだ、レモンしか見えていない。 でもオレにはイエローという婚約者がいる。 立場的にも、王子として国を思うなら黄の国と関係を向上させていかなくてはならない。 それにイエローは誰よりも優しく他人思いの良い子だ。
なんでオレはレモンを好きになってしまったんだろう。 イエローと同じ金の髪だからか、若草色がよく似合うから? イエローと顔立ちもそっくりだからか? 答えなんて自分に問い詰めても分かりやしない。 だって気がついたらレモンに恋をしていたんだから。 オレが王子だからいけないのか? でもきっと今の立場じゃなきゃ、レモンにも出会えてなかっただろう。
オレは君と一緒にいられるなら、この立場を捨てたっていい。 でも周りがそれを許さない。 この国の王子としての責務を果たせ、と。 もしオレと君が何のしがらみもなく出会えていたなら……なんて妄想を何度考えたか。
(考えたって覆ることはない) (嫉妬に狂う感情を押さえ付けるオレは) (きっと世界で一番醜い)
オレは一体どうしたらいいんだ。 誰か、教えてくれ……!
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