「ねぇなまえ、君のそのいいおっぱいなんだけどさ、触ってみてもいい?!」

兵士たちが騒がしく酒を飲み交わす中、幹部席の前を通り過ぎようとしていたなまえの目の前で、真っ赤な顔が目をキラキラさせている。
ハンジの両手は彼女の胸の前でわきわきと動かされ、今か今かというようにスタンバイされていた。
普通同じ女性に言われたら多少ためらいながらも了承の答えも検討されるだろうが、普通ではない様子のハンジの勢いに圧され、なまえはグッと回答に詰まってしまった。ハンジに迫られる巨人の気分を体感した気すらしながら。

「オイオイ、変態眼鏡。そりゃ一体何て物言いだ」

ハンジの向かいに座るリヴァイが言った。

「お前は女心ってヤツを全く分かってねぇ・・・オレが手本を見せてやるからよく見ておけ・・・おい、なまえ。お前いい乳してるじゃねぇか・・・一度オレに揉ませ」
「−−−−リヴァイ、それではハンジと全く変わらないぞ」

リヴァイが言い終わる前にエルヴィンがツッコミを入れたが、リヴァイはバカを言え、と不服そうにした。
ハンジは、ええ、じゃ何て頼めばいいのさ?と高いテンションのままスタンバイ済みの手を下ろさない。
酔っ払いの幹部組にあろう事かひどいセクハラで絡まれたなまえはというと、苦笑いを浮かべその場に立ち往生していた。

「でも、ほんと綺麗な胸してるよね。なまえって」

どう頼めば胸を触らせてもらえるかで盛り上がるハンジたちを尻目に、その横に座るナナバが言った。
端正なその頬は、酒のせいか少しだけ上気していて、いつもより色気を帯びて見える。

「そ、そんな事ないですよ」

なまえは何故だかドキッとして、ぶんぶんと首を振った。

「いいなぁ・・・柔らかそう。触ってみてもいい?」

いつも冷静沈着で表情を変えないナナバが、酔っているのか少しいたずらっぽく笑う。
なまえは今度は心臓が止まりそうになった。



−−−−ゆっくりと、ナナバの綺麗な指が伸びてくる。
やさしくなまえの胸に触れて、それを包むようにして、少し持ち上げられる。
やさしく胸が揉まれているのと裏腹に激しく打つ心臓の音がナナバに伝わるのではないかと、彼女の身体は一瞬で茹だったように熱くなった。

(・・・あっ、)

ナナバの指先はなまえの敏感なところを見つけてしまう。
びく、となまえは思わず身体を震わせた。

「気持ちいいの?なまえ・・・。」

ふるふるとなまえは首を振る。
ナナバはまたさっきの様にいたずらっぽく笑うと、そこを摘むようにしてますます刺激した。

「ねぇ、気持ちいいの?なまえ。あなたの声を聞かせて・・・」



「−−−−むっ、無理です!!!!!逆に!!!!!」

真っ赤な顔で突然大声で叫んだなまえに、ナナバも騒いでいたハンジたちも目をぱちくりとした。
普段とは違うナナバの甘い視線とからかいのせいで、なまえは一瞬のうちにヤバイ妄想の中に引き摺り込まれていたようだ。

「ぎゃ、逆?」

ナナバのびっくりした顔になまえは現実に戻り、今度は顔面蒼白になる。

「何なに?で、触らせてもらってもいいって話?」

一呼吸置いてハンジがそう言ったので、エルヴィンは彼女の肩をポンと叩いた。


おわり

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