「何事?!」

調査兵団本部敷地内の隅、なまえが思わず上げた悲鳴に驚き駆けつけたのは、ナナバだった。

「ナッ・・・ナナバさん、、やばいんです、見てくださいよ、これぇ・・・!!!」

悶絶の表情でなまえがナナバに見せたのは、ミィミィと甘ったるく元気に鳴く、5匹の仔猫たちだった。
なまえの腕の中で小さく細っこい首を伸ばしてうごめいている。

「やばくないですか?!めっちゃくちゃ可愛くないですか!?!」

顔を上気させ興奮しきりのなまえにナナバは苦笑すると、そっと彼女の方へ腕を伸ばす。
ぽん、となまえの頭を撫でると、ナナバは仕方ないなぁ、という風に小さく笑って言った。

「――――困った仔猫ちゃんだこと」

それはまるで王子様のようにカッコ良くて、美しくて、高貴で、あまりにもやさしい微笑みでキラキラとしていて、女子の心を射抜いてとろかしてしまうには十分過ぎて。
なまえは耳まで真っ赤にして硬直すると、あんなに仔猫に興奮していたというのに、ナナバの前に立ち尽くしたまましばらく動けなくなってしまった。


理 想 的 な 恋 の 落 ち 方

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