兵長と守銭奴/3 *R-18



(何でいつもこうなっちゃうんだろう・・・)

彼のことなんて好きではないし、どちらかというと嫌いなのに(恐らく彼だってそうだろう)。
それに、自分はこうしたことに対して積極的という訳でもない。
それなのにいつも彼に向けられる熱と誘惑に負けてしまう。
ふと、前に彼に言われた「体の相性は・・・」という言葉が頭に蘇る。
なまえは諦めたように、背にしていた誰かの事務机に体を預けた。
もたれかかった机に少し震えている両手を置き、リヴァイがそれにのしかかるようにして彼女の腰に両手を回す。

いつもは彼女が“触れて欲しい”とおねだりをするギリギリまで体に触れないリヴァイだが、今日は違った。
なまえの唇を味わいながら、彼女の腰に回していた片手を腰から胸へとゆっくりと上げていく。
服の上から胸を掴まれ、なまえは一層鼓動を早めた。
リヴァイはなまえの唇を食むようにしながら、緊張で大きく呼吸している彼女の胸を揉みしだいていく。
自分の体にもう既に硬くなりかけている彼自身を擦り付けるようにされたので、なまえは頭に血が上ったように熱っぽくなり、心臓はますます激しく脈打った。
声が漏れないようにしなくてはと思っていたのに、彼から与えられる刺激に彼女は思わず、「んっ」と小さく声を漏らす。

(声を出すな・・・気付かれてもいいのか・・・?)

耳元でリヴァイに吐息を掛けられるようにそう言われ、なまえはますます背筋をゾクゾクとさせられた。
再び彼はなまえに濃厚なキスを浴びせる。
彼女の胸を揉みその先端をたまに引っかくようにして刺激しながら、舌を吸い、歯列をなぞり、上あごをなぞり。
なまえは小さく体が震えている。
彼女に浴びせられているその快感に耐えかねているのだろう。
リヴァイは彼女の胸に触れていた手で彼女のブラウスの腰の辺りを引っ張り上げた。
そしてその下に手を入れ、片方の手で彼女の襟元のボタンに手を掛ける。
なまえは驚き目を開け咄嗟にその手を止めようとしたが、リヴァイはその力ない手をもろともせず、ボタンを外していく。

“うちの班は1人の犠牲で済んだが・・・次はどうかも分からんね”
“うちは班長ともう1人が・・・全く浮かばれないよ”

彼女は甘い刺激に痺れながらも外の声に必死に耳を傾け、もしここでリヴァイとこうしていることが見付かってしまったらどうしようかと冷や汗を垂らしていた。
赴任先の事務室に夜に忍び込んだどころか、男との痴態を見られては財務官としての立場がない。
リヴァイはとっくに自分のブラウスのボタンを全て外し、下着に手を掛けているところだった。
不安げな顔で、なまえは小さく顔を横に振りリヴァイに「もうやめて」と訴える。

(やめろって顔には見えねぇよ)

小声でそう言うと、彼はためらうこともなくそのまま彼女の下着を上にずらし、露になったその胸に舌を這わせた。

「・・・っ・・・!」

彼に既にツンとしていた突起を早速舐め上げられ、なまえは体を仰け反らせて口を必死に手で押さえる。
リヴァイは彼女が耐えている顔が見たくてたまらないらしい。
彼女の悩ましげな反応に、彼は舌で胸への刺激をますます強くしながら、もう片方の胸へも手で愛撫をし始めた。
敏感なそこの周りをぐるりとなぞり先端を舌先でつつくようにしてから、大きく口に胸全体をふくむようにしてその中でも舌でそこをなぞり、胸に与えられる限りの快感を彼女に与える。

“エルヴィン団長を信じてはいるんだけどね”
“もう少し間を空けてくれたらまだ―――――”

外の二人はまだ話をしている。
自分の声が漏れないように。
決して気付かれてはいけない。
その不安と緊張が、リヴァイに与えられる刺激をますます敏感に感じさせているのかもしれない。

「っ、っ、・・・!!!」

なまえは快感に身を小さく震わせながら、両手で顔を覆っていた。
リヴァイは満足気に、彼女の腰に回していた手で彼女の淡いベージュのパンツのホックを外し、ファスナーを下ろすとそれをずり下げ、するすると彼女の下半身へ手を伸ばす。
彼女はやはりそれに抵抗するように彼の手を掴んだが、ひょっとしたら抵抗の意思よりも快楽に身を任せたい衝動の方が勝っていたのかもしれない。
いとも簡単に、彼の手の侵入を許してしまった。
内ももにさわりと触れられ、彼女はまた小さく身をびくりとさせる。
リヴァイが意図的に「そこ」に触れてこないのは明白だった。
彼女を誘惑するように、その内ももに触れる手をゆっくりと腰まで上下させる。
乱れた息が事務室に響いていた。

(・・・どうしてほしい?)

胸から顔を離したリヴァイが舌で自分の唇を舐めながら挑発的にそう囁いたので、なまえは拳で自分の口を押さえたまま、涙がうっすら浮かんでいる瞳を大きく揺らした。
そんなこと言われたって、となまえは思った。
だって、触れて欲しくてたまらないけれど、こんな場所でそんなことを言えるはずもないし、するわけにもいかない。
真っ赤になった顔で彼女が困惑するのを楽しむ風にリヴァイは小さく笑うと、中腰だった背を伸ばしなまえに再びキスをした。

(分かった。お前の好きなようにしてやるよ)

キスの合間に、彼は囁く。
そして、彼の手がなまえの下着の中へと入っていった。

「・・・・・・ん・・・っ・・・!」

下腹部に入り込んだ手を彼女の谷間へ滑り込ませてみるとそこはすでにぐっしょりと濡れていたので、リヴァイはなまえから少し顔を離し、「ほらな」と言うように意地悪く笑った。
その十分すぎる潤いで彼女の快感をさらに刺激するように、リヴァイは彼女の割れ目をなぞり、その蕾をやさしく刺激した。
思わず大きく喘いでしまいそうになる。
なまえは再び両手で自分の口を必死に押さえた。

“それにしたって困ったものだよなぁ、何とかならないか”
“士気だけではどうにもならないこともあるし”

リヴァイに与えられるものすごい快感に半ば朦朧としながらも外にいる二人の兵士の様子を必死で探ろうとするが、自分の荒い息でそれがかき消されるように感じてその声はよく聞こえない。
二人の兵士の影がぐらぐらと視界の中で揺れている。
彼はなまえの唇を解放し、かわりに彼女の耳と首筋へその唇を滑らせていた。
リヴァイが彼女自身に触れている指を動かすたびに、いやらしい水音がくちゅくちゅと聞こえてくる。
そして、自分の愛液が太ももを滴っているのが分かった。
彼の舌と下への刺激が相まって、なまえはもう我慢ができないのだろう。
呼吸は苦しそうに、足ももう立っていられないように硬直し、小刻みに震えている。

“・・・・・・・・・・・・・・・・”
“・・・・・・・・・・・・”

もう聞き取ることもできないが、兵士たちの声は確かにまだしている。
こんなところで自分は一体何をしているのだろう。
決して声を出してはいけない。
それでもこんなに―――――――

「――――――っっっ!!!!!!」

くっ、くっ、と息が止まり、なまえの目からは涙が溢れ、彼女は何度も強く痙攣するように体をびくつかせた。
痙攣がおさまるのを待って、リヴァイは彼女に軽くキスをする。

(こんなときにイッてんじゃねぇよ、変態)

言葉とは裏腹に、彼は満足気に、そしていたずらっぽく、顔をほころばせた。
反対になまえは恥ずかしさのあまり、顔を覆っている両手を外せない。

「・・・良かったな」

リヴァイが小さな声でそう言ったので、なまえは顔を覆っていた両手でブラウスを握り前を隠し、彼の視線の先を見た。
窓から見えていた兵士たちの影が無くなっている。
彼に視線を戻すと、リヴァイはベルトを外し始めていた。

「――――あ、あの、」

何故彼がベルトを外しているかは明らかだった。
なまえは上気した顔のまま、小さな声で訴える。

「・・・そんな、無理です」
「・・・無理?」
「こんなところで・・・その・・・」

よく言うな、とリヴァイは手を止めずに笑った。

「机に座れよ。お前だって欲しいだろう?」
「つ・・・机!?そんな、誰かの机でなんて・・・!!」

極力声を抑えてなまえは抵抗するが、彼女の意見などリヴァイにはどこ吹く風だ。
履いていたパンツの片方の足を脱ぐと、机に押し上げようとなまえの膝を抱えようとしてきた。

「や・・・それだけは・・・許してください・・・!」

彼女のただならぬ懇願に、さすがのリヴァイも手を止める。
なまえにとっては誰のものか分からぬ事務机に乗ってセックスをするなど、持ち主に対しても申し訳なく自分にとっても耐え難いことだった。

「だったらどうするんだよ」
「・・・・・・・・・」

止めろとは言わないんだな、とリヴァイは心の中でほくそ笑んだ。
なまえはどうしたらいいか分からないようにあたふたとしている。
彼は先程脱いだマントを床に広げると、なまえを見た。

「ほら、これでまだマシだろ」

リヴァイはそう言い、なまえに彼のマントの上で横になるよう促した。
彼女は恐る恐るその上に座り、ゆっくりと横たわる。
事務室の石の床のヒヤッとした感覚が少し伝わってきた。
自分の下着をやはり片方だけ脱ぐと、リヴァイは彼女のパンツと下着を取り去った。
彼女が抵抗しないのでリヴァイはニヤニヤと笑いながら、限界までいきり立った彼自身を彼女のそこへと当てがった。

「あまり大きい声で鳴くなよ」

なまえは片手で拳を作り口に宛がうとリヴァイを恥ずかしそうにしながら睨み、そんなの分かってます、と小さな声で言った。

ず・・・っと彼のモノが彼女の中へ割り込んでいく。

「――――は・・・・・・っ!」

彼女は声が出ないよう必死に堪えその快感に身をよじらせたが、リヴァイもまたその快感に顔を歪めた。
相変わらず自分を飲み込んでいくような彼女の中の感触に切なげな吐息を吐く。
彼は一度それを深く挿入すると、ゆっくりと引き抜き、またゆっくりとそれを深く挿入する。

「・・・体は、痛く・・・ないか・・・?」
「だ――――大丈夫、です――――」

太ももに滴るほどに溢れていた愛液で、リヴァイが腰を動かすたびに、ずぷ、といやらしい音が聞こえてくる。
彼の自分を気遣うその言葉が自分を焦らすためなのではないかと思うくらいに、なまえの体は悲しい程更なる快感を求めていた。
彼女の希望通りにリヴァイの動きが次第にその速さを増していくと、なまえは大きく体を仰け反らして口を両手で押さえた。
容赦なく彼女の体を快感が襲う。
リヴァイが両手で彼女の胸を掴みその先端を刺激したので、なまえはますます苦しそうな、切なげな表情を浮かべた。

「・・・っ、あ、・・・はぁ・・・っ・・・!」

どうしても堪えきれない。
彼女の手で押さえた口から甘い声が漏れてくる。

「んんっ、・・・く・・・っ」

きっと「いけない」ところで「いた」しているという事が、彼女の感覚をさらに敏感にしている。
快感を受け止めきれないと、なまえはリヴァイに訴えた。

「リヴァイ、兵士長・・・、私、・・・早く・・・」

早く終わらせてくれないとまた誰かが来てしまうかもしれないし、こんなに快楽を浴びせられていては自分が壊れてしまいそうだとなまえは思った。

「・・・分かってる・・・、」

リヴァイもまた余裕が無いように、彼女の言葉を素直に聞き入れる。
すると、顔を両手で押さえた彼女は、たどたどしく言った。

「きょ・・・今日、・・・大丈夫・・・です。だから・・・、早く・・・」

彼からすると信じられない言葉をなまえが口にしたのでリヴァイは一瞬その意味をもう一度考えてみたが、どうしようもなく恥ずかしそうに顔を隠す彼女の様子からして、どうやら自分の捉えた意味通りで間違いないようだと思った。
ああ、と言い彼女の胸を掴んでいた手をその華奢な腰に移すと、激しく彼女を突いた。
リヴァイの腰の動きに反応して、彼女の胸も激しく上下に揺れる。

「あぁ、んっ・・・・・・!」
「・・・お前は、・・・本当、に――――・・・」

快楽に息を乱しながらリヴァイはそう言うと更にその腰の動きを速め、大きな吐息と一緒にやがてそれをゆっくりとした動きに変えると、小さく身を震わせた。
その時、どくん、どくんと自分の中で彼のそれが果て、熱いものが放たれたのがなまえには分かった。
自分の中で何度も脈打つそれに、なまえは不思議な安堵感を感じていた。







「お前とすると洗濯物が増える」

本部からの帰り道、リヴァイがマントを手にそう言ったので自己嫌悪にさいなまれていたなまえは顔を真っ赤にして睨んだ。
恐らくそれは、初めて彼女の部屋で「した」時に、彼のジャケットを使ったことを指していた。
尤も、彼女だって自分のせいで汚してしまったソファをその後「クリーニング」していたのだが。

「もう、本当にあなたって最低です!」
「何を言ってる、したくなければ拒めばいいだろう」

彼は悪びれもせず彼女に言った。

「大体あなたが――――――あっ、そうです!返してください、私のネックレス!」

大切なことを忘れていた。
彼女はそのネックレスを探す為に、危険を冒して事務室に忍び込んだのだ。
リヴァイは立ち止まり、バレたか、とでも言いたげにチッと舌打ちをすると、パンツのポケットから彼女のネックレスを取り出した。

「両手を出せ」

彼がそう言ったので、なまえは怪訝な顔をしながらも両手を差し出す。
リヴァイはその手に下から自分の片手を添えるようにして、もう片方の手でネックレスを彼女の手にゆっくりと落としながら、そのまま彼女の両手を挟むように握った。

「・・・・・・?」

握られた手を見つめていたなまえがその間を不思議に思い、彼の顔を見上げると―――――――

ちゅ、と音を立て、リヴァイがキスをした。

「!!!!!?」

「今夜もドウモごちそうさま......

鼻がくっつきそうな距離のままいつものように意地悪く笑うと、顔を真っ赤にして立ちすくむなまえを尻目に、リヴァイは再び歩き出した。



おわり


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