私は昔から困っている人を放っておけないタイプの人間であった。俗にいう おせっかい とかいうものだ。
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先日、私の住むマンションから少し歩いたところにある空き地で、子猫が一匹捨てられているのを見つけてしまった。見つけてしまったのだ。
私は困っている人を放っておけないタイプの人間である。それが人間以外の動物でもまた然り。
さすがに家に持って帰るのはまずいかな、と思い、学校からの帰り道にあるスーパーで魚肉ソーセージを買ってそれを与えてやった。
野良猫にエサを与えてはいけないことくらい知っている。けれど、やっぱり放っておけないのだ。
いつしか、学校帰りにスーパーへ寄って買い物をした後空き地に行く、というのが習慣になっていた。母は帰りが遅く、日付が変わるころでないと帰ってこないのでスーパーでついでに夕飯も買うことにした。
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今日も空き地にやってきた。私がそこに近付くと猫がちょこちょこと寄ってくる。すごくかわいい。
「今日はなんと、お刺身」
値引きシールが貼られて半額になっていたやつを買ったのだ。なんだか得した気分。
刺身をがっつく猫を眺めていると、
視界の隅で、がさっ、と草が大きく揺れた。
反射的に見る。伸び放題の雑草の隙間から、灰色の何かがあることがわかった。
犬、にしてはでかくないか?
じゃあ人間?…いやいや、そんなバカな。
私は好奇心旺盛な人間でもあった。
ゆっくり、草を掻き分けてゆく。
最後にばさっと両手で雑草を分けると、
「……………」
「……………」
視線がぶつかる。
私は驚いて言葉が出なかった。
すごい髪型の少年が体育座りでこちらを見つめていたのだから。