×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -



06.まとめて邂逅!


今日は休日。

いつもは本を読むかお菓子を作ったりしてまったり家で過ごすんだけど、今日はなんとなく散歩がしたくなった。

それで、思い浮かべたのはあの場所!


戦慄の楽譜で出てきた、ケンカしちゃった蘭と新一が一緒に歩いて帰ってくる時に歌声が聞こえてきたというあの河原!!

ってか他の映画の過去話でも出てきてたけどね。
ほら、かくれんぼのヤツ。新一の名台詞「バーロー。夕日のせいだよ!」って言ったヤツ。


あたしが普段使う通学路では川はないし、スーパーへの買い出しに行く時も河原なんて見ないから、とりあえず学校まで行ってみて、いつもとは逆の方向へと足を向けた。


見つかるまで探し回ろうと思っていたのに、あっけなく見つかった河原にちょっと自分を誉めたくなった。

あたしの勘めっちゃ冴えてる!


キラキラしてる水面を見ながら思いきり息を吸い込む。


『キモチいい〜!』


こんな素敵な場所なら、秋庭さんがつい歌いに来ちゃうってのも納得だ。

あたしも歌いたくなっちゃった。

曲はもちろん思い出のあの曲!

あたしの思い出じゃないとかツッコまないで!


『Amazing grce〜♪』



祈るように歌えってあのお偉いさんは言ってたっけ。
ごめんなさい。名前は忘れちゃった。


コナンの映画を見て、アベ・マリアと一緒に覚えたこの曲。

綺麗な曲に素敵な歌詞で、あたしには似合わないけれど。


彷徨うあたしはきっと誰にも救われることはない。

信じることを辞めたあたしは、恐れに縛られたままなのだろう。


だけど、どうか光の中にいる工藤くんたちが哀しみに染まることがありませんように。

叶うことなら、あたしが闇から守れたらいい。


どうか、彼らの笑顔がこれから先も続きますように。


あたしはただ、祈っていよう。

その為にはあたしの全てを捧げよう。



闇に囚われたあたしがこの闇から抜け出すことなんてないのだろうから。


- 42/327 -
prev next

戻る
[ +Bookmark ]