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「なまえちゃんが意識戻って良かったーっ!!」

『心配かけちゃってごめんね?』


お見舞いに来てくれた明日香は、あたしが起きてるのを見るなり抱きついて来た。
あたしにとっては今朝もしたことな感じなんだけど、明日香にとっては3日ぶりだから嬉しいんだろう。
しばらく離れる様子がない。


「でもホントにビックリしたよ?夜中に新一から電話かかってきたかと思ったらなまえが倒れた!ってめっちゃくちゃ焦った声で言ってきたんだもん」

『そうなの?あたしも起きたら、3日間も寝てたって聞いてビックリしたけど…』

「でも、元気っぽいし、いつものなまえと変わんないみたいだから、あたしも安心したけどね。あんた、昨日まで死んだみたいに眠ってたんだから」

「園子ちゃん!縁起でもないこと言わないで!」

『明日香、落ち着いて』


園子の死んだようにって発言が気に入らなかったらしい明日香が園子に速攻で噛みついたので、どうどうと抑える。


『でも、皆毎日お見舞いに来てくれてたの?』

「当たり前だよ!なまえちゃんが入院してるって聞いて、クラスの子たちも来てたんだよ?」

『そうなの?』

「ついでに言うならサッカー部の人たちも来てたわよ?今日も部活終わったら来てくれるんじゃない?」


うわぁー…なんかすっごい大事になってるんだけど。


「でも、なまえが目を覚ましたって連絡もらった後、新一大変だったんだよ?」

『へ?』

「そうそう。授業中なのに新一くんが教室から飛び出そうとして皆で止めてたんだから」

「それで、放課後になった途端に工藤くんが帰ろうとしたら、今度はお前だけで行かせるかー!ってサッカー部の人たちに連行されてったんだよね!」

『…』


なんか、色んな意味で怖いから、新一の部活終わらないで欲しいんだけど。


「でも新一くんの反応も分かるけどね。あんた、新一くんが帰ってすぐ倒れたんでしょ?」

『あ、うん。新一が帰って玄関閉めてないの思い出して、立ち上がろうとしたら立ち眩み?みたいな感じになって視界が真っ暗になったと思ったら、身体に力入らなくてさ。そのまま倒れちゃったみたい』

「たぶん、新一くん、もう少し自分が居たら、とか思ってたんじゃない?」

『もう遅いから帰りなよって言ったのあたしなんだけど?』

「でも、新一がそこに居たらすぐ対処出来たかもしれないでしょ?新一、ずっと自分責めてたよ?」

『え?』

「なまえちゃんの手握って、悪かったってずっと言ってたもんね」


そこに新一が居ても居なくても変わらなかったんじゃないかと思うんだけど。
なんか悪いことしちゃったな…。


「で、あんたはいつ退院出来るのよ?」

『どこにも異常はないんだけど、念のために2、3日は入院だって』


それからしばらく女同士のお喋りを楽しんで、また明日来るからって3人は帰って行った。


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