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「あんたばっかじゃないの!?」


なまえが帰っちまった後に園子に電話したら、耳が痛くなるくれぇのバカでけー声で怒鳴られた。


「何の為にあたしがあんたになまえの話したと思ってんのよ!?あんた、あたしの話聞いてなかったわけ!!?」

「いや、それはちゃんと聞いてたんだけどさ、なまえの顔見たらあいつと二人で居たの思い出しちまって、つい…」

「こんのバカっ!なまえが新一くんのこと意識してるかもって話した後になまえ泣かせるとか何考えてんのよっ!!」


なまえを泣かせちまった俺に何か言えるわけがねぇ。
俺もしまったって思ったし。

園子からなまえが俺を意識してるって聞いてマジで嬉しくて、恋愛するの怖がってるって話聞いて、どうすっかとか真剣に考えてたはずなのに、なまえの顔みたら言葉が止まんなかった。

バカだよな、俺。
これでなまえに嫌われちまったら本も子もねぇのに。


「はぁ…。で?あんたはちゃんと反省してるわけ?」

「当たり前だろ!」

「じゃあさっさとなまえに謝って、許してもらいなさいよ?」

「許してくれると思うか?」

「なまえの性格上、謝ったら許してくれるだろうけど、しばらくは避けられるんじゃない?」

「だよな…」


自分でやっちまったことだけど、せっかくここまで仲良くなったなまえに避けられんのかと思うと心臓が軋む気がした。
実際避けられたらこれ以上のダメージ喰らうんだろうな…。

ついこの間、サッカーの試合でホントに楽しそうに俺のこと応援してくれてたのに。
それを壊しちまったのは、他でもない俺自身だ。


「なまえへのフォローはあたしたちもするけど、あんた学校来たら覚悟しときなさいよ?」

「なまえに避けられる覚悟か?」


出来るか。んなもん。


「違うわよ!クラスとサッカー部で責められんの覚悟しとけって言ってんの!」

「は?んだよ、それ」

「あんたねぇ…。あたしらがどんだけあんたの恋愛応援してたと思ってんのよ!?」

「…」

「別にあたしから何か言わなくてもなまえが新一くん避けてるの分かったら勝手に噂広まるでしょ」


…俺、一体何されんだ?


「ま、一番恐いのは蘭でしょうけどね」

「は?」

「あんた、なまえ泣かせたのよ?蘭が黙ってると思う?」


その言葉を理解した途端、シャレじゃなく血の気が引いた。
ヤベェ、俺、なまえに謝る前に蘭に殺されっかもしれねぇ。


「とにかく!絶対になまえに謝んなさいよ?いいわね!?」

「わーってるよ!」


明日、園子と蘭がなまえの様子を見に行ってくれるということで、その報告はしてくれると約束してくれた。
但し、どんなことになってても覚悟しろとも言われたけど…。

抱きしめてたなまえを俺が離した後、一切俺の方を見てくれなかったなまえを思い出すと今でも苦しくなる。

なまえはいつも人と話す時はそいつの顔を見て話してたはずなのに。

それだけ俺があいつを傷付けちまった。

俺はなまえの笑顔が好きで、ただ…ただあいつの一番になりたかっただけなのに。



(何でこうなっちまったんだよ!)


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