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「はぁ!?何であんたそこでいつもより可愛いだのキレイだの似合ってるだの気の利いた台詞一つ言えないのよ!?」

「いや、だって、可愛い過ぎて直視出来なくて、だな…」

「このヘタレ!おば様を理由に使ってまでなまえを泊まりに誘ったのは何の為なのよ!?」

「そりゃあ、少しでも一緒に居たかったからで…」

「でしょ!?ちょっとは自分のアピールしなさいよ!」


俺はさっきから園子に怒鳴られっぱなしだ。
いや、俺が情けねぇのが原因だから、一言も言い返せねぇんだけど。


「ところで、サッカー部でのこと、ちゃんとなまえにフォローしたの?」

「した、と思う」

「何よ、その曖昧な言い方は!なまえは人に迷惑かけたりするの人一倍気にするんだから、ちゃんとフォローしなさいよね!」

「わーってるよ!」

「じゃあ、さっさとなまえんとこ行って来なさいよ」

「いや、あいつ今風呂入ってて…」

「はぁ…。それであたしのとこにヘルプ電話かけてきたわけ?」

「しゃーねぇだろ?母さんに言ったら遊ばれるに決まってるし、他に相談出来そうなヤツがいなかったんだよ!」

「そりゃあ?あたしはあんたの恋愛応援してるけどさ…あ、そうだ!良いこと教えてあげる!」

「何だよ?良いことって」

「なまえ、頭撫でられるの好きなんだって」

「は?」

「恋人にどんなことされたら嬉しいって聞いたらさ、一緒に居てくれるだけで嬉しいけど、ハグしてもらったり頭撫でてもらえると嬉しいって言ってたのよ!」

「ハグってオメー…」

「だから!ハグは無理でも、頭撫でたりするくらいなら、どっかで出来るチャンスがあるかもしれないでしょ!?」

「んー…」


確かに頭撫でるくれぇなら俺でも出来るかもしれない。


「それにサッカー部の子に聞いたんだけど、なまえ、今日新一くんのサッカーに夢中だったんでしょ?」

「オメー情報早ぇな。あれはマジでテンション上がった!」

「サッカーに興味なかったなまえがそんなに夢中になるくらいなんだから、全く脈ナシってことはないんだし頑張りなさいよ?」

「また何かあったら相談に乗ってくれるか?」

「この園子様にまっかせなさいって!なまえからも情報集めて教えてあげるわよ」

「ホントにサンキュな」


今まで園子は蘭の親友ってイメージしかなかったんだけど、意外と頼りになんのかもしれねぇな。

園子と電話が終わった頃、なまえがちょうど階段を上がってくる音が聞こえて、とりあえずなまえの部屋に行ってみるかと俺もベッドから腰を上げた。

けど、俺、何て言ったらいいんだ?
さっきの服似合ってた、とかそんなんでいいのか?

突っ立ったまま、しばらく何て会話を切り出すか悩んでいたら、隣の部屋の扉が閉まる音が聞こえた。


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