×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -



お喋りをしながら楽しいお茶会をしていたんだけど、そういえば、と工藤くんがさっきまで忘れてたはずの疑問を思い出したらしい。


「ところで、何でみょうじはわざわざ夕飯作りに来てたんだ?」

『あれ?先生に頼まれたからだって言わなかったっけ?』

「いや、それは聞いたけど、父さんいつの間にそんなこと頼んでたんだよ?」

『工藤くんたちが旅行に行く前の日に、お呼ばれしてお昼ご一緒したんだけどね、その時にお願いされたの』

「はぁ?また俺のいねー時に来てたのかよ!?」

「新一、男の嫉妬は見苦しいぞ」

「しっ!?違ぇって!」

「だーって、新ちゃんはサッカー忙しいんだから仕方ないじゃない。ママだってなまえちゃんとたまにはご飯食べたりしたいもの。優ちゃんばっかりなまえちゃんと会うなんてズルいじゃない」

「父さんとはよく会ってんのか?」

『え?そうだね。多い時は週に何回かは会ってるよ?』


喫茶店でよくご一緒になるから、と思いながら言ったんだけど、工藤くんが目を丸くして驚いてた。
あれ?あたし何か変なこと言ったっけ?


「メールや電話もマメにしてるみたいだしねぇ?」

『有希子さんだってよく連絡下さるじゃないですか』

「でも優作の方がよく連絡入れてるんでしょ?」

『それは否定出来ません』

「ほらっ!優ちゃんばっかりなまえちゃん独り占めにするんだからっ!」


有希子さん、怒る場所はそこなんですか。


『あ、もうこんな時間だ。あたしそろそろ帰りますね』

「え?なまえちゃん、今日は泊まってくんじゃないの?」

『え?』

「どうせなら何泊かしていくといいよ」

『先生まで…でもお土産郵送されるとか言ってませんでしたっけ?』

「指定日は次の月曜日にしてあるから、急いで帰る必要はないさ。良かったら今日だけでも泊まって行くといい」


どうしようかと有希子さんの顔も見たんだけど、にっこにこしながらこちらを見てうんうんと頷いていたので、じゃあ今日だけ、とお言葉に甘えることにした。

どうせなら、今回予定狂わせちゃったこともちゃんと謝りたかったし。



- 164/327 -
prev next

戻る
[ +Bookmark ]