お喋りをしながら楽しいお茶会をしていたんだけど、そういえば、と工藤くんがさっきまで忘れてたはずの疑問を思い出したらしい。
「ところで、何でみょうじはわざわざ夕飯作りに来てたんだ?」
『あれ?先生に頼まれたからだって言わなかったっけ?』
「いや、それは聞いたけど、父さんいつの間にそんなこと頼んでたんだよ?」
『工藤くんたちが旅行に行く前の日に、お呼ばれしてお昼ご一緒したんだけどね、その時にお願いされたの』
「はぁ?また俺のいねー時に来てたのかよ!?」
「新一、男の嫉妬は見苦しいぞ」
「しっ!?違ぇって!」
「だーって、新ちゃんはサッカー忙しいんだから仕方ないじゃない。ママだってなまえちゃんとたまにはご飯食べたりしたいもの。優ちゃんばっかりなまえちゃんと会うなんてズルいじゃない」
「父さんとはよく会ってんのか?」
『え?そうだね。多い時は週に何回かは会ってるよ?』
喫茶店でよくご一緒になるから、と思いながら言ったんだけど、工藤くんが目を丸くして驚いてた。
あれ?あたし何か変なこと言ったっけ?
「メールや電話もマメにしてるみたいだしねぇ?」
『有希子さんだってよく連絡下さるじゃないですか』
「でも優作の方がよく連絡入れてるんでしょ?」
『それは否定出来ません』
「ほらっ!優ちゃんばっかりなまえちゃん独り占めにするんだからっ!」
有希子さん、怒る場所はそこなんですか。
『あ、もうこんな時間だ。あたしそろそろ帰りますね』
「え?なまえちゃん、今日は泊まってくんじゃないの?」
『え?』
「どうせなら何泊かしていくといいよ」
『先生まで…でもお土産郵送されるとか言ってませんでしたっけ?』
「指定日は次の月曜日にしてあるから、急いで帰る必要はないさ。良かったら今日だけでも泊まって行くといい」
どうしようかと有希子さんの顔も見たんだけど、にっこにこしながらこちらを見てうんうんと頷いていたので、じゃあ今日だけ、とお言葉に甘えることにした。
どうせなら、今回予定狂わせちゃったこともちゃんと謝りたかったし。
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