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『ちょっ、有希子さん!どんだけ買うつもりなんですかっ!』


楽しい昼食も終わって、有言実行な有希子さんに連れられ、ランジェリーショップへと来たんだけど、はじめにサイズだけ測った後は次から次へと店員さんに指示を出していく有希子さんに、このままでは危ないとストップをかけた。


「えー。だって可愛いのいっぱいあるんだもん!」

『だったら有希子さんの分を買えばいいじゃないですかっ!』

「違うの!なまえちゃんの分を見てるから楽しいのよ!あ、それのピンクとブルーもお願い出来る?」


こういう時はやっぱり先生という名のストッパーが欲しいけれど、こんな場所に先生を誘えるはずもなく。
というか買い物に関してはストッパーにならないっていうことも前回のお泊まりで分かっているし。

まぁ、有希子さんの気が済むまで放っておこうとため息をついて諦めた。


たっぷり買い物をした後、おやつタイムに食べるケーキを買って工藤邸に戻ると、先生がすぐに珈琲を入れてくれた。

…先生、お仕事ちゃんとしてます?


「じゃあなまえちゃん、これ箪笥の中にしまってくるから優作とお喋りでもしてて!」

『あたし、自分でしますよ?』

「いいからいいから!なまえちゃんは優作の相手してて頂戴!ね?」


有希子さんが気を遣ってくれてるのは分かるんだけど、何だかなぁ…。


「買い物は楽しかったかい?」

『また有希子さんの暴走が止められなかったので、途中で諦めました』

「ははは。楽しかったみたいで良かったよ」


先生、普通はここで妻の無駄遣いを止める場面だと思うのですが。
と思いつつ、きっと先生は止めないんだろうと分かっているので、ため息一つで全てを流した。


「なまえ君、私からも一つお願いをしても構わないかい?」

『何ですか?』

「明日から1週間で旅行から帰って来るから、夕食になまえ君の手料理が食べたいんだが」

『あ、そうですね。旅行帰りだと有希子さんも疲れてるでしょうし、いいですよ』

「そうか。引き受けてくれるか。代わりにお土産はたくさん買ってくるから楽しみにしてくれて構わないよ」

『先生と有希子さんが二人で買うと大変な量になりそうなので、あたしが持てる範囲にして下さいね?持って帰れなくなっちゃいますから』

「いや、なまえ君の家に郵送するつもりだからその心配は要らないよ」


…先生、お土産郵送って一体どんだけ買うつもりなんですか。
というより、今回の旅行先も聞いてないんだけど。
ま、帰って来たら教えてくれるかな。

結局、よく分からないままに明日から1週間の工藤邸でのお留守番が決まった。


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