『今回はホンマにありがとう!めっちゃ楽しかったわ!』
「なまえちゃん、またいつでも遊びに来てや!」
時間が経つのは早いもので、遊んで語ってってやってたらあっという間に帰りの新幹線の時間になってしまった。
こんな風に思いきり遊んだのっていつぶりだろう?ってくらいにハシャギまくったから、明日からしばらくはテンションダウンしてるかもしれない。
『あ、もう新幹線来る時間やから行かな!ほな、またな』
「なまえ、これ忘れもんやで!」
『うん?何これ?』
服部くんから渡されたのは封筒で、何も覚えがないあたしは首を傾げた。
「初日に撮ったプリクラや」
『あ!そや、ちゃんと携帯にも全部転送してや!』
「おー。この後きちんと送ったるから安心しぃ」
『ほな、和葉ちゃんも服部くんもまたなー』
新幹線の時間が近づいてきたので、改札で二人と別れてホームへと向かった。
でも、なんで服部くん、プリクラをわざわざ封筒に入れたりなんかしたんだろう?
新幹線の中で、早速封筒を開けてみると思わず「何これー!?」って大声をあげそうになったのを理性をフル動員させてなんとか抑えた。
自分が落書きしたのは内容を知ってるからいいとして、問題なのは服部くんが落書きした残り半分だ。
男の子が落書きしてるとこなんて見たことなかったから、真剣に落書きしてる服部くんを見て笑ってたんだけど…。
「何書いてんだ、あいつ…」
思わず頭を抱えたけど、決してあたしのせいではない。
だって、服部くんから撮る瞬間に帽子を被らされた一枚には「こいつは俺が予約中!」って書かれていたんだもん。
いや、ネタとしては面白いけど!
二人で顔近づけて撮ったヤツなんかはスプレーでキレイにハートで囲まれてたり、なんて言うか。
『これ付き合ってたらただのバカップルじゃん』
服部くんが落書きするヤツはそそくさと選んでたと思ってたら、初めからこれを狙ってたのか。
そりゃあ、和葉ちゃんに誤解されない為にもこんなの見せられないわな。
…ん?
いやいや、ネタで書いたんなら寧ろ三人でこれを見て「これおもろいやろー?」って笑い合っても良かったんじゃないか?
思春期の男の子が考えることって良く分かんないなぁとか思いながら、プリクラを眺めていたら、ちょうど携帯にも服部くんからプリクラが転送されてきた。
楽しかったけど、最後によく分かんない思いをしたそんな大阪一人旅。
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