ご飯の後は大阪を案内してくれるっていう二人について行ったら、通天閣に連れて行かれた。
へぇー、これが通天閣かぁ。
今まで名前しか知らなかったよ。
「あそこにあるんが大阪城、ほんであっちが大阪ドーム。どや?こっからやと大阪がよう見えるやろ?」
『うん!めっちゃ景色ええねんな!うち、大阪好きになりそうや』
「そんなら良かった。なまえちゃん、他にどっか行きたいとことかあるん?」
『んー、うちはお好み焼きとたこ焼きが食べれたら後は二人にお任せしよう思うてたからなぁー』
「なんや、せっかく大阪に来るっちゅーのに、何も調べて来んかったんか?」
『え?うち、大阪に観光に来たっていうより、二人に会うん楽しみにして来たんやもん』
「もう、なまえちゃんめっちゃ可愛い!」
『うわぁっ』
和葉ちゃんにいきなり抱きつかれてバランスを崩して倒れかけた。
もう、危ないなぁ。
そして服部くんはちょっと顔が赤いような気がするけど、あたし何かしたか?
『あ、それやったらあそこ行きたい!』
「どこや?」
『おっきいグリコの看板あるとこ!大阪来た記念にあれ写メりたいねん!』
「よっしゃ、行こか。ほんでついでにたこ焼き食べて、ちょっと遊んで帰ったら時間的にもちょうどええやろ」
「なぁ、それやったらプリクラ撮らへん?」
『ええなぁ!うちも三人で撮りたい!』
「せやったら、平次と三人で撮った後にうちと二人で撮ろ!ええやろ?」
『当たり前やん!』
「そんなら俺とも撮ろうや。和葉とだけ二人で撮るとかズルいわ」
『え?うち、初めからそのつもりやったけど?』
「!?」
『さっきから服部くんおかしいで?どないしたん?』
「な、なんでもないわ。ほら、行くで!」
後ろに向けてた帽子を深く被り直してすたすたと歩き出してしまった服部くん。
ホントにどうしたってんだ?
「なまえちゃん、気にせんでええよ。平次、たぶん照れとるだけやから」
『照れてるって何に照れてるん?』
「なまえちゃんに決まってるやん!」
え?あたし?
えっ?何も心当たりがないんだけど、本当に何かやらかした…?
「二人とも何やっとんねん。置いて行くで!」
「分かってるって!なまえちゃん、行こ!」
何かしたかなぁと考えながらも和葉ちゃんに手を引かれてあたしも走り出した。
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