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三人で食べた楽しい昼食も終わり、後片付けをしたあたしは今は本棚いっぱいの部屋で読書を楽しんでいます。

自分の家だと思って好きに過ごしていいとは言われたけど、本当に好き放題させてもらってる気がする。

先生の本ももう少しで読み終わるので、お泊まりさせてもらってる間に読破するのがちょっとした目標だったりしてる。


「なまえ君、少し休憩したらどうだい?」


どうやら、集中し過ぎて時間感覚が狂っていたみたいだ。
時計を見ると、もう既に16時を過ぎていた。


『ありがとうございます』


先生が持ってきてくれた珈琲を一口飲むと心と体が解れていくのが分かった。


『いつ飲んでも先生が淹れて下さった珈琲は美味しいですね』

「そうかい?」

『はい。普段はインスタントしか飲めないので、美味しい珈琲を飲むと心が安らぐ感じがします』

「それは良かった。それにしてもあの時間でそれだけ読んだのかい?」

『え?はい。そうですけど?』

「なまえ君は本を読むのが早いんだね」

『そうですか?あんまりそういうの気にしたことがないので分からないですけど』

「新一も読むスピードは早い方だが、なまえ君の方が早いんじゃないかな?」

『それならきっと読む本が素敵だからですよ。夢中になっちゃうので、読むペースが上がってるのかもしれません』

「なまえ君に気に入ってもらえるとは、私も書き手として嬉しい限りだよ」


なんて、珈琲を味わいながら先生とのお喋りに興じていた。


「ところで、明日は有希子と買い物に行くんだったかな?」

『はい…。今回こそは有希子さんを暴走させないように頑張るつもりです』

「そんなことを言わずに、気に入ったものがあったら何でも買ってくるといいよ」

『いえいえ。これ以上先生にご迷惑お掛けしたくないので、全力で阻止させていただきます』

「有希子の見立てじゃ趣味に合わないかい?」

『いいえ?いつもあたしの好きそうな服ばかり選んで下さいますよ?』

「それならいいじゃないか」


確かに値段を気にせずに買い物が出来るのは楽しいけれど、先生に払って貰ってばっかじゃ悪いじゃないですか、なんて、お互い自分の主張を譲らない無謀な会話を続けていたり。



先生、甘やかし過ぎは禁物です!



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