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予約されたレストランでは、夜景を一望出来る席に案内された。


『わぁ、素敵!』


宝石箱をぶちまけたような、星空も地上もキラキラしてる光景に言葉もなく見惚れてしまう。


「ね?綺麗な景色でしょう?ここのお食事もとっても美味しいのよ」

『こんな素敵な場所でお食事出来るなんて夢みたいです!』

「そんなになまえ君に喜んでもらえるなんて、此処に決めた甲斐があったな。なぁ、有希子」

「ホントよね!新ちゃんたら何処に連れてってもなーんにもリアクションないんだもん。なまえちゃんがあたしたちの娘だったら何処にでも連れてってあげるのに!」

「へーへー。どうせ俺は連れて行きがいのない息子ですよっ」

『もう…有希子さんリップサービスで言ってくれてるだけなんだから、そんなに不貞腐れなくても』

「いや、あれは本心だね」

『違うよ?有希子さんも先生も工藤くんのこと自慢の息子だと思ってるもの。二人に愛されてる工藤くん、羨ましいけどな』

「みょうじ?」

『あ。ごめん、何でもない!お料理楽しみだね』


危ない危ない。
楽しいお食事会なのに、もうちょっとでシリアス入るとこだった。

先生に甘えてばっかいるから、工藤くんにも甘えそうになるのかな?

ちょっとは自重しないと…


「なまえ君。余計な気遣いは要らないよ?」

『やっぱりバレちゃいました?何考えてるのか』

「もちろん」

「ん?何の話だよ?」

『先生との内緒話?』

「お前には関係ない話さ」

「んだよ、それ!」


仲間外れにされたのが悔しかったのか、工藤くんがまた不機嫌モードに入ってしまった。

こういう反応が若いんだよなぁと思いながらも、不貞腐れてる工藤くんも可愛いかったりするので、どうしても表情が緩んでしまう。

コナンになっても小学生相手にムキになっちゃうんだから、ついこの間小学校を卒業したばかりの工藤くんじゃこの反応が当たり前なのかもしれない。


結局食事が運ばれてきても、工藤くんが話し出すと先生と有希子さんに遊ばれてしまうので工藤くんは黙ってしまい、話すのはあたしと有希子さんが主で、先生が聞き役といった感じだった。



工藤くんとももっと話がしたかったのに、何だか寂しいな。



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