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工藤邸の呼び鈴を鳴らすと、予定通り工藤くんが出迎えてくれた。


「はーい。どちらさ…ま」

『こんばんは、工藤君』


あたしが来たのがそんなに意外だったのか、工藤くんは玄関で目を大きく見開いて固まってしまった。


あれ?どこかおかしかったかな?

と自分の装いを確認してみるけど、何が悪かったのか全く分からない。


「やぁ、なまえ君。よく来たね。今日はまた一段と美人だ」

『ありがとうございます』

「新一、レディをいつまでも外に立たせるとは何事だ」

『工藤くん、あたしが来たことにびっくりし過ぎて固まっちゃったみたいなんです』


ちょっと困った様に微笑むと、ずっと固まってた工藤くんが小さな呟きを漏らした。


「みょうじ…か?」

『うん?どうしたの?』

「いや、だって…ってか何で…」

「おや?新一には話してなかったかな?今日はなまえ君と食事をする日だと」

「聞いてねぇよ!!」


先生の一言で工藤くんはやっと覚醒したらしい。

それにしても長いこと固まってたな。


「やーん!なまえちゃんあたしの選んだ服着てくれたのね!とっても可愛いわ!!」

『どんなに着飾っても有希子さんには敵いませんけどね』

「何言ってるの!新ちゃんなんかなまえちゃんが美人になりすぎたから驚いちゃったんじゃない!」

『え?工藤くん、あたしが突然来たから驚いたんじゃないんですか?』

「まっさかー。今までなまえちゃんの制服姿しか見てなかったんだろうから、綺麗になったなまえちゃんが誰かわからなかったのよ!」


工藤邸にあげてもらったあたしは、今は有希子さんとお茶の準備をしていた。

ちなみに男性陣は今着替え中だったりする。

で、入れ替わりに有希子さんが支度に取り掛かるらしい。


つまりはあたしの話相手がちゃんといるように、と気を遣ってもらってると言うわけだ。

有希子さんは悪戯が成功したのが嬉しいのか、さっきからご機嫌である。




それにしても、あたしそんなに印象違うかな?


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