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前回の妄想設定で、竹→食←文のカップリングに挑戦。

食←文編。

《大前提》
・二人は付き合ってません。が同居してます(文次郎さん的には同棲です)
・この設定での文次郎さんは計算高い(若干腹黒)、外堀から埋めていく派です。
・食満先輩は、ひたすら鈍感です。

ok?



◎ 馴れ初め、高校時代〜


文次郎と食満は高校時代からの知り合い。

その頃の食満は、幼馴染であり小学校からの付き合いである伊作にべったり。
一見は伊作の方が食満に頼りきりで食満がいなければ何も出来ないように周囲には見えていたが、実際には食満の方が、伊作と言う媒介を通してしか周囲とうまく関わることが出来なかった。(精神的な依存)

前回の食満先生が竹谷少年に諭した件(「はっきりとした〜」)が、そのまま自分に当て嵌まっていた。


初対面の頃から食満を意識し、気に掛けていた文次郎(まだ恋愛感情無し)は
お互いにべったりな二人の様子を苛立ち紛れに観察している内に、周囲の誰も気付いていなかったそれに気付き、ある日面と向かって指摘してしまう。

伊作に依存している、自分の対人関係の構築に関して問題があると自覚がなかった食満は、文次郎の指摘に対して激しく反論、反発。以後文次郎に対してだけ食満の当たりが非常に厳しくなる。





そうしてかなり長い間、顔を合わせればギャンギャンと吼え合うような犬猿の仲を続けていたが、ふと気が付けば、文次郎に対してだけは伊作の仲介を無しに、臆することも隠すことも無く、本来の自分、本心の言葉をぶつけることが出来るようになっていたことに食満が気付く。

それを自覚した時点から食満の文次郎への敵対心も徐々に薄れていき、文次郎への過剰なまでの敵対心、嫌悪感とはつまり、自分の認めたくない欠点を見抜かれたこと、自分の弱みを知られているということに対する不安感と、そんな自分に対する自己嫌悪を転換したものだったということも自覚。

反省し、改めて自分の欠点にも向き直り始め、そして文次郎への態度も改める。





しかし、今まで散々な対応しかされてこなかった文次郎にとっては、突然の食満のデレ期到来。一言発すれば即座に噛み付いてくるような反発がなくなり、食満にとっての伊作なみに、自分に対する態度が軟化したことに大いに困惑する。

ぶつかり合うことはあれども以前のような剣呑とした空気のものではなく、例えるなら、ようやく懐いた捨て猫が、気を許しているのは丸見えなのにそれを誤魔化そうとしてわざと手酷くひっかいてくるようなそれに、結局はあっさりと陥落。
新たな世界の扉を開き、無自覚に食満へ抱き続けていた自分の感情を自覚と同時に受け入れる。





◎ 馴れ初め、大学時代〜

三人ともそれぞれ別の大学へ進学。
(伊作→医大、文→国立大教育学部、食→美術大)

食満の無自覚の要求に応じて小中高と最も傍に居続けた伊作は、食満が漸く自分の欠点に向き合い始めたことで、自分も一度独り立ちして道を歩む為に、敢えて遠地の大学へと入学。

別々の大学ながら、学校も一人暮らしのアパートも近所だった文と食は、それなりに頻繁に顔を合わせていた。
(というか、この頃にはすっかりと開き直っていた文次郎の方から、積極的に食満へと連絡を取り、接点を切らさぬよう努めていた)

大学で少しずつ新しい友人関係を築き始めていた食満も、伊作が傍にいない不安と寂しさから、友人として自分を気に掛けてくれる(ように見える)文次郎には全開で気を許し、懐いていた。(食満デレ最盛期)





入学当初、食満に学校教員の道へと進む気はなかったが、大学生となってから数ヵ月後、伊作の誘いで参加したボランティアイベントで、子供達との記念オブジェクト製作に関わる。
その際に、自分の子供好き性質と
『何かを作るのは一人よりも大勢でやった方が断然楽しい』ということに気付く。
幸いにも美術教員の免許取得も可能な大学であった為、一年後期より履修予定を変更し、教員の道を目指し始める。





免許を取得することは大学内で出来ても、実際に教員として採用されるかは試験に左右されるので、学力に不安のある食満は文次郎へと協力を仰ぐ。
(多分な下心有りで)了承した文次郎の指導を受けて、元々高校教師志望であった文次郎と共に試験に向けての学力向上を図る。

この頃には食満に文次郎に対する警戒は一切無く、お互いの部屋にも気軽に行き来するように。
集中して勉強をする時には文次郎の家へ食満が行き、また創作活動に夢中になると自身の身の回りが疎かになる食満の面倒を見る為に、文次郎が食満の家へと通うこともあった。

話の流れで文次郎から食満へと同居を提案したことが何度かあったが、大学在学時は最後まで冗談だと思い込まれ、全て受け流されてしまった。





◎ 馴れ初め、教師採用〜

現在在任中の学校への就職が一番に決まったのは、食満。
教育実習で訪問した際に、その授業風景と生徒との接し方を学校長が気に入り、声を掛けてもらった。
文次郎は、多分物凄く頑張って食満と同じ学校に就職。
二人が在任して何年後かに、保険医として伊作もやってきた。

就職決定を二人で祝う酒の席で、改めて文次郎から食満へと同居を提案した。
新生活の準備費用、家事負担の軽減、生徒の模範となる教員となるのなら今までのように創作に夢中になって寝食を疎かにして体調を崩す訳にはいかないから〜等々。
それらしい理由を搾り出し、食満を持ち上げその気にさせ、最終的には酒の場のノリで了承させ、同居へと漕ぎ着ける。





◎ 馴れ初め、現在〜

食満デレは、文次郎と二人の際、自宅の中限定で現在も継続中。
全盛期に比べれば安定している。

学内では、二人は仲があまり良くないとの評判がある。
実際は、生徒や他の教員達と親しげに身を寄せる食満の様子が面白くない文次郎がからかいや挑発の言葉を向けてしまい、それに食満が怒るから。
自宅に帰ったら全力で機嫌を取らなければいけなくなるだけなのだが、止められない。

家の中の家事は基本分担だが、時期によってはどちらかが多くを負担することがある。
(問題作成や回答添削がある学力試験の前後は食満が、前回記事の演劇コンクール等の学校行事、その他創作などで食満が夢中になっている際は文次郎が家事を負担する)

家事スキルは圧倒的に食満の方が高いが、家事に手が回らなくなる期間も食満の方が多い。
学校関係で食満の帰りが遅い際には、理解しながらも苛々として夕飯を作り、落ち着き無く帰りを待っている。
食満と同居するようになってから、文次郎は自分の作る料理があまり好きではなくなった。(以前は、食事は必要な栄養を摂取さえできればいいという認識)


基本的に二人共自分の教員という職に誇りを持ち、生徒を第一として考えている。
けれど、文次郎はそれとは別枠で食満のことを最上級に置いている。

やっとの思いで同居(本当は同棲と言いたい)まで漕ぎ着けた文次郎側の心境として、食満と二人で住む自宅には他の人間を入れたくない。
伊作が学校に転任してきた際は、祝いと称して自宅に招き入れたが、その時の文次郎の無言の威嚇によって察したのか、以後伊作は二人の自宅には立ち入らなくなった。
(その代わりに食満が伊作の自宅へと時折泊まりに行くようになってしまい、文次郎は歯噛みして後悔している)

生徒に極力近い目線で心を砕き接する食満が、初めて自宅まで連れてきたのが竹谷少年だった。
以前から二人が一緒にいるのを学内で頻繁に見かけていたので、警戒してちょくちょくと演劇練習会場である会館にも見回りと嘯いて顔を出していたが、この件と、帰宅した文次郎を呆然と見上げてきた竹谷の顔を見て、文次郎の竹谷への警戒度は跳ね上がる。
(食満に関することでは、文次郎の心からは寛容さなど失われる)


個人的な創作活動や、色んな面倒事に首を突っ込んでしまう性格ゆえに慢性的な睡眠不足である食満は、居眠りが多い。
で、文次郎はそんな食満にこっそり手を出してる。(キス止まり)

バレそうになった時の誤魔化し方と、実行する為の度胸は随分と鍛えられた。
(竹谷少年以前に唯一目撃された伊作には全力で殴られ説教されたが、懲りてない)

本格的に手を出すのは、本人の許可を一応取ってからと決めている。



こういうことをしているのは、告白をする度胸が無いからではなく、どれだけアピールしても食満が文次郎の気持ちに気付かないから。
はっきり言葉で言っても、遠まわしに誘いをかけても、全て自然にスルーされる。


例1:
女子生徒から差し入れを貰ったと食満に報告。(←嫉妬してくれないかと思って)

「おーそれ俺が相談受けてお前の好みとレシピ教えてやったんだ。ちゃんと食って感想言ってやれよ」
と笑顔で返される。

逆に嫉妬させられ、嬉しいような悲しいような食べたくないけど食べなきゃいけない、複雑な心境に陥る。


例2:
食満が沸かした風呂に「(汗臭いから)先に入れ」と命じられ
「…一緒に入るか?」と誘ってみれば「狭いから嫌だ」と拒否される。

一人風呂に入りながら、「(広ければいいのか…?)」と悶々と悩まされる。
(その頃リビングでは、「あいつもあんな冗談言うようになったのか」と食満がカラカラ笑ってる)

等々。

なので、焦れた文次郎は作戦を変えて、この同居生活の間に外堀を埋めるどころかがっつりと囲いを組み立てて、自分から離れるという発想そのものを無くす気でいる。
せめて眠っている間にちょっと手を出すくらい勘弁して欲しい、と思っている。









...

設定の箇条書きですが、やっぱり文食満設定を妄想するのは楽しいです(*´ω`*)

こういった食←文で文次郎さんが一人ギリギリしている関係というのも、管理人的大好物設定の一つです。


文食満至上主義の管理人ですので、竹→食←文の三角関係では文次郎さんへと軍配が上がる可能性濃厚ですが、是非自覚をした竹谷少年には、生徒も子供関係なく敵対心と独占欲むき出しの潮江先生に立ち向かって欲しいです。

敢えてくっつけずに、延々と三人の不毛なやり取りを追いかけたいです。(妄想の中で)



→続き、おまけのおまけ小話
『大学生時代の文&食、もだもだ話』です。

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