「真子」
「あ〜?なんや。俺と口きかんのやろ」
昼間、真子と喧嘩した。
理由はなんだったか覚えてないくらい些細なことで、結果的に「もう真子と口きかないから」と口走ってしまった。
本当はケーキバイキングの予約をしていて、真子と一緒に行こうと思っていたのに。
「…」
「真子こそ、いつまで不貞腐れてんの」
「はァ〜?俺は大人なオトコやから不貞腐れなんかせんのですぅ〜」
真子と一緒にケーキ食べたかったのに…。だって今日は、せっかくの…。
予約の時間はとうに過ぎていて、泣きたくもないのにじわりじわりと涙が溢れてきた。
「おいおい、何も泣くことやないやろ」
「っ…!だって…じかん…うぇ…ごめん…真子ぃ」
「時間?なんやなんや、泣き顔ブッサイクやで自分!」
いつもはそこでブサイクって言った!って怒る私だけどそれよりも何よりも悲しいのと今日っていう日に喧嘩をしてしまった自分がバカみたいで涙が止まらなくなっていた。
「真子、あのね、今日ね、真子誕生日だから」
子供みたいに、泣く私の話に耳を傾けてくれる真子。誕生日ってワードが出ると、バツが悪そうに頬を掻いて。
「お店、予約したのに、喧嘩しちゃって、」
「あぁ…すまんかったな」
「うん…私もごめんね…」
「ほな二人でケーキ食べにいこか」