何がいけなかったのでしょうか?
彼女がこの世界を創ったからですか?
それとも、“ずっと”を望んだからですか?
ねぇ、誰か
教えてください・・・




人柱アリス




初めまして。
アタシはそうね・・・『アリス』って呼んでちょうだい。
何?
変?
名前なんてね、どうでもいいのよ。
貴方もアタシもそしてこの世界の住人もいるようでいないんだから。
なぜ自分もか?
貴方にとってこれは“夢”にしかすぎないんだから。
貴方とアタシの関係は通り過ぎるだけの人。
昨日貴方の横を通り過ぎた十番目の人なんて覚えてないでしょう?
アタシなんてそんなモンでしょう?
これはただの独り言。
これは単なる懺悔。
違う。
そんな高尚なモノじゃないもの。
言い訳。
戯言。
どんな言葉だっていい。
アタシとっても、貴方にとっても、些細なことでしかないんだから。
貴方はただ聞いてればいいの。
貴方は普通の傍観者。
物語の読者。
映画での観客にしか過ぎないもの。
はい、紅茶。
長い長い話だけど聞いてね。
そして、覚えていて。










そう、何が始まりだったのかしら。
この世界の創造したのは神様なんかじゃないのよ?
始まりの子ーーーと、言っても普通の女の子が普通に想像した小さな小さな世界。
それがこの世界の始まり。
【人】という奇妙な生物は泡沫の小さな世界を創るの。
創られては消えて、また創られては消える。
小さな小さな世界は時折長く長く残り大きな世界になる事がある。
例えばそうね・・・
貴方が読んだ事がある物語の世界もあるの。
最初は小さな世界でも色々な【人】がその世界に力というか、光というのかな、を与えるのよね。
そうして小さな小さな世界は大きな世界として消えにくくなるのよ。
でもね、そんなのほとんどないの。
この世界はね、本当は消えてなくちゃおかしいのよね。
よく分からない?
なんとなく分かればいいのよ。
どうして消えなかった思う?
答えは簡単。
この世界はね、人を飲み込むの。
何人も、何十人も、何百人も、飲み込んだわ。
何人もの人柱がこの世界を存続させてる。
血なまぐさい話でしょ。
エネルギー源の【人】自身を飲み込んだが故にこの世界はあり続けられた。
けどね、この世界はもう、始まりの子が創った世界じゃなくなったの。
飲み込む度に歪みが酷くなってきた。
この世界はもうすぐ崩壊するの。
こういうのをジョウシャヒッスイて言うんだっけ?
まぁ、貴方はアタシとの話を聞いて物語を書いて欲しいの。
絶対、書いてよ?
書かなかったら、そうねぇ………末代まで呪うわよ?
アタシ、本気よ?
さぁ、語りましょう。





戻る

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -