京太の幼い頃の話だ

何処の町にだって1人はいるであろう変質者
京太は学校の帰り道そんな人を通学路から少しそれたところで見かけた
真っ黒なコートに、真っ黒なズボン
真っ黒な帽子に、真っ黒な靴
肌以外を真っ黒にしていた
ゆらりゆらりと身体を左右に揺らす
呼吸も荒い
そしてゆっくりと振り向き京太を見た
口元に笑みが浮かんでいるのを感じ取った
京太は一目散に逃げ出した
今思えばそれは正しい判断だったと、京太は言った



後から聞いた話にはその翌日同じ区内にある小学校の児童が行方不明になったそうだ
その次の日遺体は見つかった
目を抉り出された事を除けば綺麗に------

さらに京太には未だにその事件で忘れないものがある
それは目
犯人と思しき者の目
光の反射のせいなのだろうか原因は分からない
確かにあの時に合った目は禍々しい程紅く、狂気の色を滲ませていた
今もまだあいつは狂気の赴くままに彷徨っている事だろうと、京太は付け加えた


貴方は知ってる?
瞳の行方を--------





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