遊星*collaboration | ナノ
初めての出会い


――オマエの手口はもはやカタギのソレじゃねぇ。

何度もソレに引っかかってきたコウは、俺がどうやってヒトを丸めこんでいくのかを一番知ってる人間だ。
まあ、そう言いながら今回も引っかかってるコウは全然カタギに見えない見た目と違って純粋ってことになるんだろうけど。

って、今はそんなことどうでもいい。
セイちゃんに気づかれないように、作戦を進めていかないと……。

「ああもう、やればいいんだろうやれば!」


ほらね。
俺がダメ押しで寂しげに無理矢理笑みを浮かべたら、案の定引っかかってくれた。

その言葉さえ引き出せれば、ミッションは八割方成功したと言っても過言じゃない。
あとは上手く誘導して、セイちゃんが自分からやる気を出すように持ってけばいいだけだから。

「セイちゃん大丈夫。失敗なんて怖くないよ?最初は誰でも膨らませるの失敗しちゃうもんなんだ。コウなんて未だに二回に一回は失敗してるんだよ。右手が恋人ってやつなのかな……って痛ぇ!」

「……オマエ、いっぺん死にてぇのか」

あ、やべ。般若面に青筋が浮かびそうになってる……。
ここでコウの怒りを完全に買っちゃったら意味がない。
フォローしとかないと。

ゲンコツで殴られた頭をさすって、俺より上背のあるコウの肩によいしょ、と腕を回す。

『違う違う、こうでも言っとかないとセイちゃんやってくれないかもしれないだろ?保険だよ保険。大事な幼馴染のこと考えたら、何重にも保険かけとかないとダメなのコウだって分かってんだろ、な?』

大事な幼馴染。
それは、コウを丸めこむ大事なキーワード。
これをちらつかせているうちは、安心して騙されてくれる。

「だから、セイちゃん大丈夫。俺たちしかいないんだから、恥ずかしがんないで思う存分その風船膨らませてみてよ。あ、そのエッセンシャルオイル、口に入れても大丈夫なヤツだから」


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