君の心が絶望に覆われませんように
眩しすぎる日差しに目を細める。人間として堕ちてからはこんなにも世界は明るかったのかと気づかされることが多い。堕天使だった頃は壊されるのが、壊すのが好きだったのに今ではこの日常をずっと守っていたいとさえ思う。
「シキーほら早くー!置いていっちゃうよー!」
「今行くよ」
少し先にいるリツカが振り返ってオレを呼ぶ。
「帰りにシュークリーム買って帰ろうか」
「いいね!」
キミが傍にいてくれる平和な日々をオレはずっと過ごしていたい。こんなことを思う日がくるなんて本当に思っても見なかった。
オレの傍にいて見捨てないでいてくれて、愛してくれて、キミを堕とそうとしたオレを堕としたリツカ。これから何があろうと。もう二度とキミに悲しい思いはさせない。ずっと護るから、だから、もう二度とキミの心が絶望に覆われませんように……。
お題:喉元にカッターお題配布bot(@nodokiri)様から
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