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救うのは僕じゃない


 ボクらは愛されなかった子供だ。愛されなかったから愛を知らないしもうそんなことはどうでもいい。お互い欲にまみれそれを吐き出して傷の舐め合いをする……それでボクは満足。アヤトくんのことは嫌いじゃないしね。
 でもアヤトくんにはもっと別の道があるんじゃないかな、なんて思ったりもするんだ。
 
「もうアヤトくんには飽きちゃった。んふ、やっぱり抱くなら可愛いビッチちゃんだよね」

 なんて言っていつも通りおどけて笑って見せる。ボクのそばにいたって幸せになんてなれないんだよアヤトくん。
 
「さーてとビッチちゃんとでも遊んでこようかな?」
「チチナシはオレ様のもんだ!勝手に手出ししてんじゃねぇ!」
「そんなこと誰が決めたのー?」
 
 きっとこういえばアヤトくんは自分のものを取られまいとビッチちゃんのところに行く。多分それでいいんだ。救うのはボクじゃないんだから。

「んふ、でもまあ、たまに邪魔するぐらい許してよね?」




お題:140文字SSのお題から




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