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望んでいなかった結末




「本当に馬鹿だな、お前もリンドも。簡単に俺を信用してお前は身も心も俺の手の中に落ちてこのザマ。それでアイツは護っていたつもりだなんて滑稽だ」
「やめて、私を…いいえ兄さんを嗤わないでよ!」
「こんな時まで兄思いか。兄弟揃って反吐が出る」
緋色の瞳が私を見下ろしていた。こんなの望んでいなかったのに、魔導書の存在が全てを壊し、奪っていく
平和な日常も、優しかった貴方も
首筋にかかる吐息にどうして、とこぼすと彼が
「お前が生まれたことがそもそもの間違いだったのかもしれないな」
と耳元で嘲笑った




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