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もう笑ってくれない
「最初から騙してたんですね……」
ジェキ様に連れられて来たリツカと城で対面する。リツカは動揺や悲しみや怒りが入り交じった目で俺を見ていた。
「嘘はついていない。本当に心配したんだぞ?」
グリモワールの器としてな、と心の中で付け足す。よく見ればリツカの手は小さく震えていた。
「嘘つき……貴方の事は信じていたのに……!母さんを拐ったのは貴方達だった……!つまり最初から全部知ってたんでしょ……!?」
「ああ、そうだな。なにも知らず俺を頼るお前を見ているのは滑稽だったよ」
「……もう、あんな風に優しく笑ってもくれないんですね。まるで別人……ううん、これが貴方の本性なんですね……」
優しく笑ってくれないのはお前もだろ、と喉元まで出かかったその言葉を飲み込む。俺に優しく微笑みかけるお前を見れないのは少し残念だ。退屈な時間だったがあの時間は嫌いではなかった……。
「ノエル、いつまでくだらない話をしているの?そろそろ時間よ」
「はいジェキ様」
だが残念だ、もうすぐお前は死ぬ。さようなら、リツカ。一時の偽りの平穏を与えてくれたお前のことは忘れないでいてやろう。
お題:CPお題(殺伐・ヤンデレ編)やってみたーから
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