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「というわけでスバルくん、ポッキーゲームしようか!」
11月11日、誰が決めたかポッキーの日とかいうはた迷惑な日。これだから嫌いなんだ。ポッキーの箱を手ににんまりとした笑みを浮かべるライトが部屋に戻るところだったオレの前に立ちはだかる。
「断る」
「まーたまたー。せっかくのポッキーの日だから楽しまなきゃ」
「ならそれ寄越せ。オレ一人で食う」
「そんなの楽しくないでしょ?んふ、だぁかぁらぁ楽しむためにもポッキーゲーム、シよ?」
そういってライトが箱を開けポッキーをとりだしそれを口に咥える。
「ほぉらスバルくんもその可愛いお口でこれを咥え込んで」
「気色悪い言いかたするな!オレはやらねぇ!一人でやってろ!」
「一人でって…それただボクがポッキー食べるだけになるじゃない。そんなのつまらないよ」
「だからって人を巻き込むな!」
「つれないこと言わないで、ね?」
一歩一歩とにじりよってくるのに対してオレは少しずつ後ずさりをする。ああ畜生、これじゃあいつものパターンじゃねえか…
「スバ…」
「悪い手が滑った」
パキ、と音をたててライトがくわえていたポッキーが真っ二つになり床へと落ちていく。何があったのかと顔をあげるとそこにはシュウが立っていた。どうやらシュウの気まぐれのお陰で助かったようだ。
「いったーい!ちょっとシュウ、なにするのさ!あ、もうポッキーおれてる…もー酷いなー」
「こんなところで騒ぐお前が悪い」
めんどくさそうにそう言いながらシュウはライトの手にあったポッキーの箱をひったくりオレの方を向いて笑った。
「で、ポッキーの日…だっけ?」
「あ、ああ…」
「ならオレと、ポッキーゲームでもするか?」
「あ…?あぁ!?」
にやりと笑うシュウを見て、ああそういえばこいつも敵だったとため息をつきそしてオレはその手からポッキーの箱をひったくり部屋へと猛ダッシュしたのだった。
ポッキーゲーム未遂
(こんな陰謀くそ食らえ!)
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