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「あぁ?海?」
「そう、海。レイジが言ってたよ、みんなで行くから荷物詰めておけって」
勝手に部屋に侵入してきて当たり前のようにオレの棺桶を開け、スバルくーん嬉しい知らせがあるよー起きてー!と寝ているオレを無理矢理起こし何かと思えば海に行く……?こいつはそれくらいで何をこんなに喜んでいるのか……オレは全く興味が無いし行くつもりもない。
「んふ、ビッチちゃんの水着姿、楽しみだなぁ。スバルくんもそう思うでしょ?」
「はっんなもん興味ねぇよ」
「あ、もしかしてボクの水着が気になるのぉ?んふふーそんなに期になるならぁここで一足早くスバルくんに御披露目しちゃおうかな」
「いらねぇよ」
ボタンに手をかけていたライトがえー残念折角新しい水着買ったのにぃ、とどうでもいことをぶつぶつと言っていたが無視してぐいっと棺桶の縁に座っていたライトを押し退け、そのまま棺桶の蓋を閉じる。
「あ、ちょっとスバルくんっなんで閉じるの?海だよ?」
「行かねっつってんだろ……」
「スイカ割りもするってよ?んふ、目隠ししたビッチちゃんに悪戯するのも良いかもしれないね」
「お前がスイカやるならやってやってもいいぜ?」
「ス、スバルくん……っボクの玉を割るなんてそんな……卑猥だよぉ……っ」
気色の悪いしゃべり方と声色に鳥肌がたつ。心底気持ち悪い。が、それを言うと悦ぶだろうからぐっと我慢して耳を塞ぐ。
「スバルくーん出てきてよーボクとぉ夜のスイカ割りしようよーきっと楽しいよぉ?目隠ししたスバルくんがボクの」
イライラして勢いよく棺桶を開けると蓋がライトの顎に思いっきりヒットしてライトが宙を舞いそして床に落ちる。どうやら気絶したようだ。
「うぜぇ」
足を掴んで引きずり廊下に放置する。引きずったときに乱れたシャツとズボンの隙間から水着が見えていた。なんでもう履いてるんだよ……。
「海でスイカ割り……」
アイツが水着姿で目隠し……そう思うと口の端が勝手に上がっていた。咄嗟に口元を隠す。これだとこの変態と同じだ。
「まあ……行ってやらなくもない」
「その言葉を待ってたよスバルくん!!」
「!?」
いつの間にか目を覚ましたライトがにやりとしてオレを見ていた。
「んふ、楽しみだね、スバルくん?」
「ああそうだな……お前をスイカにして頭かち割るのは楽しみだぜ?」
「ボクのた」
「海に行けないようにしてやろうか?」
「スバルくんこわーい」
「うるせぇさっさと荷物詰めに部屋に戻れ変態」
「言われなくても。んふ、楽しみだね」
そう言うと珍しくそのまま部屋へと戻っていった。海……変態に邪魔なんてさせねぇアイツと楽しんでやる……そう思いながらオレも部屋へと戻った。
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