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 また、まただ。オレ達が眠ったのを確認してライトが部屋を出ていく。そして少ししてから戻ってくる。そのときの顔はいつものあのにやけ面なんかじゃなくて暗くて、悲しそうな目で眠っているオレ達を見ている。
 多分そのことにオレが気づいていることをまだライトは知らない。ため息をついてからライトがベッドに入りそれから少しモゾモゾと動いてから静止しまた少したつとモゾモゾと動いていた。これもたいつものことだった。
 オレ達じゃ力になれないことなのかよ……!なんで言わないんだよ……!!そんなことを思いながらもオレからは言えなくてずっと打ち明けてくれるのを待っているのだがライトは一向にそうしようとはしなかった。もやもやする……オレたちは三つ子なのに……!!

 そうして次の日、オレは痺れを切らしライトを部屋に呼び出した。

「いつまで隠してるつもりだよ、お前」
「なんのこと?んふ、アヤトくんってば怖い顔しちゃって」
「惚けんなよ!お前いつも夜中にどこ行ってんだ!」
「別にどこだって良いでしょ?アヤトくんには関係ないことなんだし」
「関係ないって……オレ達兄弟……三つ子だろ?出来ることなら力になりたいって……」

 オレはそこで口を閉ざした。ライトが光の消えた目でオレを見てそして口の端だけ吊り上げてにやりと笑った。

「それならアヤトくんがボクを慰めてよ。力になりたいんでしょ?誰かに都合良い人形として使われるのはもう懲り懲りだからね……たまにはボクだって発散したいのさ」

 ベッドに突き飛ばされ、起き上がろうとしたところにライトが馬乗りになってきて、そのまま腕を捕まれ動きを封じられた。振り払うことは出来る、オレの方が力は上だ。

「大丈夫、痛くはしないから。んふ、ボク上手いんだから。あの人のお陰で、ね」

 光が消え失せたその瞳の奥に悲しみの色が見えた。そんな顔されたら振り払うことなんて出来るわけないだろ……!

「それでお前の気が晴れるなら」

 そう言ってオレは体の力を抜いて全てをライトに任せるようにしてその目を見た。ライトは少し驚いたような戸惑うような顔をして、そしていつものように笑って「アイシテルよアヤトくん」と感情を失ったような声でそう言った。



慰めてよ
(所詮は形だけのごっこ遊び)




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