あれだけべたべたしてきていたライトが最近全くオレに手を出さなくなった。喜ぶべきことのはずなのにオレは喜ぶどころか喪失感さえ覚えている。
「おい、ライト」
「ん、どうしたのスバルくん」
そこに居るのは確かにライトのはずなのにそれはライトじゃない。ライトはユイによって本当の愛というやつを知って変わった。オレの知っているライトはそこにはいない。
「?」
オレが黙っているとライトは不思議そうに首を傾けていた。
「んふ、もしかしてスバルくん寂しいの?」
「……は?」
「ボクがスバルくんに全く構わなくなっちゃったからスバルくん寂しくなったのかな?」
「誰がっ!!」
「でも残念。ボクはもうそういうことはやめにしたんだ。んふ、ビッチちゃんを本当に愛してるからね」
「だから寂しくねえっての!」
「でもーー」
ライトがオレの耳元に顔を寄せて囁く。
ーースバルくんがオネダリするなら考えるよ?
その言葉は甘い毒のようにオレに染み込んで行って、
「らい、と」
オレの全てを壊していく。ああ、依存してたのはアイツじゃない、オレの方だったんだ。
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