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「っ、はっ、ユ、イ…」

棺桶の中に座り、スバルは一人息を荒げていた。今日は珍しく他の兄弟たちも静かで彼らのうるさい声に邪魔されることもない。そう思い自分だけの世界に浸っていた。目の前にはこっそりと撮りためていたユイの写真。兄たちにバレれば確実にそれをネタにまた騒がれると思い細心の注意を払い保管していたものだ。

「はぁ、く、」

もう少しで昇りつめるというところで不意に部屋の扉が叩かれ、一瞬にして引き戻される。

「スバル、いるのでしょう?」
「な、ちょっとま、」
「入りますよ」
「おい待て……!」

慌てて写真を棺桶の中の引き出しにしまいズボンを上げようとするが、それよりも先にレイジが扉をあけ中に入ってこようとする。それを制するため立ち上がり扉の方に向かおうとするもズボンが足に引っ掛かったままだった為、足が縺れそのまま床に倒れ込んでしまった。

「おいやめろ開けるな……っ!!」

制止する声も虚しく扉は開けられそして二人の目が合い時が止まる。お互いどう反応したらいいのかわからなくなり口をあけたまま固まっていた。

「……い、いいから出ていけよ!!」

なんとか絞り出してそう叫んで床を思いっきり殴り付ける。バキッと不吉な音をたててそこに穴が開いた。

「スバル!またそうやって壊して……!何度も言っているでしょう!」
「うるせぇ!部屋に入ってくるタイミングぐらい考えろよ!」
「だからノックしたでしょう!」

二人が無意味な言い争いをしていると廊下からすごい音したけどまたスバルくん?と声がした。スバルはあぁ、最悪なやつがきた。と頭を抱えた。こんなところを見られたら絶対にからかってくるだろう、と。

「なーんだレイジと喧嘩してたのか」
「喧嘩をしていたわけではありません、よ……」

ライトの方を向いたレイジが固まりそして怒りでぷるぷると震えていた。スバルのところからは何が起きているのかよく見えず分からない。なんとか体勢を整えて廊下に出るとそこには

「なぜあなたは彼女の……彼女の下着を持っているのですか……?」
「あ、」

服のポケットからユイの下着をはみ出させているライトがいた。

「んふ、なんていうか今日のお楽しみに使おうかなって」
「全く……あなたもスバルも」
「え、何スバルくんもビッチちゃんの下着盗んだの?」
「んなわけあるか!」
「ああなんだ、お楽しみ中だったのか。んふ、似た者同士かな〜」
「だ、れ、が似た者同士だ!」
「こら、スバル、屋敷を壊すのは……!」

レイジが叫ぶ声も虚しく廊下はボロボロになっていったのだった……。



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