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「おいチチナシたこやき作れよ」
学校の課題をやる私の隣で課題の紙で紙飛行機を作り、飛ばしているアヤトくんがつまらなそうにそう言った。
「ごめんねアヤトくん、今忙しくて手が離せないからまた後でね?」
「忙しいって課題やってるだけだろ。でもよくまあそんな面白くもないものやるよな。それよりオレ様にたこ焼き作りやがれ」
「子供じゃないんだから……あ、そうだ」
親指と人差し指で輪を作りそれを頬にあてる。いつもいたずらされてるんだからたまにはからかったっていいでしょ?
「はい、たこ焼き」
「お前オレ様をバカにしてんのか?」
「これ終わったら作ってあげるから、ね?」
「チッつまんねーの」
気だるそうに椅子の背もたれに身体を預けてたこ焼き……とアヤトくんが呟きそしてにやりと笑って私を見る。
「たこ焼きなんだよな?じゃあ食わせろよ」
「アヤトくんなにいって……きゃっ!」
不意にアヤトくんの顔が近くなりそして頬に痛みを感じる。まさか、まさか……っ!?
「アヤトくんっまさかそこから血を吸ってるの……!?」
「なんか問題あるのかよ。たこ焼きなんだろ?ならそれを食べるのは当然のことだろ。まあ、たこ焼きには劣るけど腹の足しにはなったぜ。つうわけでそれ終わったら本物のたこ焼き作れよ……って何すんだよ!殴ることないだろ!」
「そんなとこにあとつけたら隠せないでしょ!もう……学校でどう説明するのよ……」
「いいだろ別に、見せつけてやれよ私はアヤト様のモノなんですってよ」
「よくない!!アヤトくんのバカ!!」
「おい、どこに行くんだよ、チチナシッ!!」
このあと傷跡を見たライトくんにいじられたことと、このことと課題をやらずにいたことを知ったレイジさんにアヤトくんが怒られたことは言うまでもない。
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